暴言、過酷な労働環境に一方的な「クビ宣告」… 歴代総理も通う超名門料亭「金田中」料理長がブラック体質を告発

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気分に任せて声を荒らげる

 そもそも“同期入社”の料理長が辞めたのは、

「岡副社長が原因だったと言っても過言ではありません。普段、私たちが社長と対面するのは、おもに毎月の『試食会』の場でした。各店の料理長はじめスタッフが新メニューを披露し、社長や本店の総料理長に品評してもらうのですが、そうした場で社長は、料理を熟知しているわけではないのに気分に任せて声を荒らげ、酷評するのです。総料理長のようなベテランだろうとお構いなしで、私の前任者も、それに嫌気が差して辞めていきました」(同)

 以降、山田氏は膨大な業務を一身に背負うことになったという。

「お前の客のせいで…」

「『岡半』の調理場には全体で3~4人しかおらず、通常営業に加えて通販商品の仕込みもあり、支配人の役割も兼ねていた私が休むわけにはいきませんでした。6年半の勤務で取得した有給休暇は合計で10日もありません。年間の休日が70日ほどしかなかった年もあり、おまけに一日の勤務時間は大体朝9時から23時ごろまで。休憩を除くと平均12時間以上は働いていました」(同)

 また給与面でも、

「毎月の給与明細を見ると、残業代として『固定割増手当』という名目の支払いがあるのですが、実際にこなしてきた残業に比べたら、明らかに少ない。大体、この金額について会社から説明を受けたことはなく、合意したつもりもありません」

 そんな環境にあって、社長の“指示”も苛烈を極めていたというのだ。

「私が以前に働いていた店のお客さんが来て下さったのですが、社長には『お前が連れてくる客のせいで元々のお客さんが来づらくなった』と叱られました。また、ある銘柄の日本酒が在庫切れした時は、欠品中で入荷できないと説明しても『お前が悪い』の一点張り。店内で社長と打ち合わせの約束をしていた時には、時間前に私が庭の掃除をしていたことで、到着が早まった社長から『俺が来るのになんで掃除なんかしているんだ』と怒鳴られたこともありました」(同)

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