加藤浩次、近藤春菜、友近…吉本興業に反旗を翻したタレントの現在地
「この体制が続くなら、吉本を辞める」
大手芸能事務所・吉本興業の所属タレントを筆頭に、多数のお笑い芸人が反社会的勢力の会合に参加し金銭を受領していた、いわゆる”闇営業問題”が発覚してから、早4年の月日が流れようとしている。
この問題の背景には、吉本興業のマネージメント体制の不備(芸人のスケジュール管理など)があるとされた。岡本昭彦社長(56)による5時間超もの記者会見対応などをめぐり、所属タレントによる吉本興業への批判が生じた。また、視聴者からも吉本興業へ多数の苦情電話やメールが殺到するなど、社会的にも大きな反響を巻き起こした大騒動となったことは、いまだ記憶に新しいところだ。
この騒動で、当時吉本興業に所属しながらも、上層部を批判したタレントたちの現在地は、果たしてどのような状況になっているのか。
「これからもこの体制、今の社長、そして会長の体制が続くと思ったら、僕は吉本興業を辞めます」
これは、自身がMCを務めた日本テレビ系朝の情報番組「スッキリ」内で、加藤浩次(53)が当時発言したコメントである。
先日、17年もの間、MCを務めた「スッキリ」が終了した加藤は、騒動間もない2019年10月に吉本興業との契約を専属エージェント契約に変更している。その後21年3月、専属エージェント契約は終了。同年4月に個人事務所を立ち上げ、現在は「がっちりマンデー!!」(TBS系)、「人生最高レストラン」(TBS系)、「加藤浩次のちゃっかりバズってます!!」(テレビ西日本)のテレビレギュラー3本の司会を務めてはいるものの、この先のタレント活動が安泰とはいえない。芸能プロ関係者が語る。
「加藤の大﨑洋会長(69)と岡本社長に対する闇営業問題の対応への批判は、世間的に喝采や賞賛を浴びた部分はありました。しかし、会社側からすれば飼い犬に手を嚙まれたような思いがあったのは事実。結局、吉本興業との専属エージェント契約に変わり、さらには契約が終了したわけですから、いまだに吉本が加藤さんを許していないということです。制作費削減などメディアの厳しい状況は続きますが、専属エージェント契約締結後、長年MCを務めた「スーパーサッカー」』(TBS系)や「この差って何ですか?」(TBS系)が、まるで示し合わせたかのように終わっているのは、単なる偶然ではありません」
専属エージェント契約とはどういうものか。民放キー局関係者が語る。
「会社が仕事の獲得(営業)や契約交渉、スケジュール調整からトラブル対応まで、すべての面倒と管理を行う従来の専属マネージメント契約と違い、営業やギャラ交渉以外のことは全てタレント個人で行うものです。この契約を締結したタレントは、一個人事業主として吉本から仕事を請け負う形ながら、仕事の差配はあくまで仕事の発注者側となる吉本側へ有利に働くシステムなので、専属エージェント契約を結んだタレントは、一部例外もありますが、おしなべて契約締結前に比べ、仕事が減少する傾向にあります」
さらに同関係者は、「スッキリ」が終了に至った、意外な舞台裏事情にも言及する。
「TBS系平日朝の情報番組として、2021年3月からスタートした『ラヴィット!』は吉本所属の麒麟・川島明(44)がMCを務めていますが、単に川島をMCに据えるだけでなく、吉本も番組制作に協力しています。各曜日レギュラー出演者にも吉本所属タレントを多数出演させ、『スッキリ』の真裏に突っ込んで加藤潰しを図り、番組開始当初は低調な視聴率ながら、辛抱強くバラエティやお笑い要素を打ち出したことが功を奏し、話題の芸人やアイドルを続々と登用。朝の情報番組をふだん見る習慣のない若者層をも取り込んで、いまや人気番組へ成長しました。これでは加藤としても、なす術はありません」
当の加藤は、専属エージェント契約締結後から旧知の信頼の置けるスタッフを固めたことでスケジュール管理などトラブルなく進め、番組スタッフや共演者ともスムーズな関係を築いているという。
「この間、芸能活動と並行して行ってきたジンギスカン鍋の専門店『成吉思汗 ふじや』経営も、コロナ禍を乗り越え安定しています。また、極楽とんぼの相方・山本圭壱(55)とのコンビ活動も今後さらに活性化させ、コンビでのライブ活動と自身のタレント活動、そこに飲食業を加えて、マイペースでやっていけたらと考えているようです。しかし山本が吉本と専属マネージメント契約を結んでいることから、加藤の望み通りに今後コンビ活動ができるかどうかは、何とも言えませんが…」(番組制作会社関係者)
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