めいが明かす小津安二郎の素顔 「朝が遅い伯父のヒゲをかきむしって起こしていました」

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「俺の映画はね、まあ、外国人にも、いつか分かるよ」

 今年は、日本映画界の巨匠、小津安二郎の生誕120年、没後60年にあたる。これをうけ、現在、神奈川近代文学館では「小津安二郎展」を開催(5月28日まで)。小津が映画撮影で使用したカメラや三脚、日々の雑事を書き付けた日記やメモ、ライターやパイプ、洋服など約500点の貴重な品々が展示されている。日本人の家族の日常や悲哀を独特のローポジションの撮影技法で切り取り、芸術の域にまで高めた巨匠の実像とは。 

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 生前「俺の映画はね、まあ、外国人にも、いつか分かるよ」と語っていた小津安二郎だが、その予言があたっていたのは言うまでもない。

 たとえば英国映画協会が発行する「Sight&Sound」誌は10年に1度、史上最高の映画を決める企画記事を掲載しているが、2012年、小津の「東京物語」が映画監督の投票で1位、批評家の投票で3位に選出された。当時、映画ファンの間では、“ついに小津が「2001年宇宙の旅」や「ゴッドファーザー」を超えた”と大きな話題になった。

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