違法駐車、飲酒運転が当たり前! 外国大使館の「違反金踏み倒し」ワースト1位はどの国?
対抗策を取るも、踏み倒しがなくならない現実
われわれの報道を受けて、外交特権の悪用問題は20年以降、国会でも度々取り上げられることになった。さぬきうどんが名産の香川県出身の議員は「小さい話に聞こえるかもしれないが、針の穴から世界が見えるという言葉もある」と、踏み倒された違反金額の多さを「うどん」で例えた。
「店によっては100円で食べられる。1日3回、365日食べると年11万円ほど。(踏み倒された)4千万円強あれば、40年近く(実際は400年)毎日うどんを食べられる」
と訴えたのだ。
記者会見で加藤勝信官房長官(当時)は、「誠に遺憾」として「国内法令の尊重をしっかり要請する」と述べたほか、外務省は違反金を支払うまではガソリン税の免税を受けられる証明書の発給を見合わせる対抗措置に乗り出した。
そうした対抗策を日本政府は取りつつあるが、残念ながら外交特権による踏み倒しは依然、続いているのが現実だ。
2位は中国
ウクライナへの侵攻から1年余り、ロシアの“無法ぶり”は白日の下にさらされているが、国際社会はロシアによる侵攻を事前に止めることはできなかった。
もちろん「ウクライナ侵攻」と「違反金踏み倒し」を直接結び付けることはできないが、先のリストは各国の「法律を守る意識の差」を表しているのではないだろうか。情報公開請求をはじめ、われわれの行った一連の取材によって実現した「国名の開示」が、日本に駐在する外交官の特権悪用抑止につながることを期待したい。
さらに言えば、各国外交官の「遵法意識の改善」につながってほしい。踏み倒しワースト1位はロシアだったが、3位を大きく引き離した「2位」は今や世界に大きな影響力を持つ隣人「中国」だ。
その動向にも充分注視する必要があると思う。
(※各国大使館のワーストランキングは「FNNプライムオンライン」でも公開しているので参照していただきたい)
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