必要な総額は8兆円? 財源論は先送りに… 「異次元の少子化対策」は国家的詐欺か

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 このままでは日本は沈没する――。加速度的に少子化が進む中、危機感をあらわにする宰相が打ち出したのはグランドデザインなき「たたき台」。果たして、どこが“異次元”なのか。内実を検証すると、一つの疑念が浮かぶ。すなわち、これは実現不能ではないか、と。

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「6月の骨太の方針までにどう考えるかだ。(こども)予算倍増と言っちまったからなあ」

 3月下旬、そう周囲に漏らしていたのは他ならぬ岸田文雄総理(65)である。

 31日、政府により「少子化対策のたたき台」が発表された。少子化対策が未来の日本を左右する重要な課題であることに異論は挟めまい。なにしろ、2022年の出生数は79万9728人と過去最少を記録。国が予測していたより11年も早く「80万人割れ」が訪れたのだ。

財源の裏付けはこれから

 総理は今国会の冒頭で「こども予算を倍増する」「異次元の少子化対策を策定する」として、並々ならぬ決意を見せていた。今回、たたき台に政策が落とし込まれ、4月1日には「こども家庭庁」も発足した。

 低迷する出生数をこれから反転させようという時である。にもかかわらず、なぜ総理はまるで人ごとのように呟(つぶや)いたのか。

「財源の裏付けがこれからですからね」

 とは政治部デスク。

「今回はあくまでたたき台です。今後、総理を議長とする官邸内の会議が作られ、6月に示される『骨太の方針』までに議論されることになります。3月下旬には自民党と公明党からの提言を政府が受け取っており、それらの提言をとりあえず並べたのがこのたたき台です。どの政策を優先的に実施していくかはとりあえず示されているものの、具体的にはこれから決めていくことになります」

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