“国際手配犯”となった「ガーシー容疑者」帰国の可能性 カギを握る捜査員「現地派遣」のタイミング

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 ガーシー前議員(本名・東谷義和)が国際手配され、「協力者」も逮捕されるなど、攻勢を強める警察当局の次なる一手に注目が集まっている。渦中のガーシー容疑者に帰国の意思はないとされ、まだまだ「逃げ切り」の可能性を指摘する声も。実は警視庁側には“あらゆる手を使って”でもガーシー容疑者を逮捕したい理由があるとされ、その実現のため水面下では暗闘が繰り広げられている。

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 国際手配されたとはいえ、捜査に与える影響は限定的だと話すのは、ガーシー事件の取材を続ける犯罪ジャーナリストの小川泰平氏である。

「今回は国際手配のなかでも『青手配』と呼ばれるもので、身柄の確保や引き渡しを要請するのでなく、所在や行動把握に関する情報をICPO(国際刑事警察機構)を通じて加盟各国に照会できるようになったに過ぎません。つまり逮捕に直結するものではないものの、ガーシー容疑者へプレッシャーを与える心理的な効果は期待できる」

 ガーシー容疑者は自身の有料サロンで「たかが名誉棄損の問題で国際手配しますか?」と捜査のやり方に疑問を投げかけたが、全国紙警視庁詰め記者は「当局の真の狙い」についてこう話す。

「警視庁が重視しているのは名誉棄損でなく、俳優の綾野剛さんらに対する常習的脅迫(暴力行為等処罰法違反)容疑のほうです。以前から警察当局が“反社”と見る人物とガーシー容疑者の繋がりを指摘する声が警視庁に届いており、捜査の焦点の一つにガーシー容疑者を取り巻く人脈とお金の流れの解明が浮上している。ガーシー容疑者が得た収入が反社などの収益源になっていないかを明らかにする意図です」

 14日にガーシー容疑者の動画制作に携わっていたとされる池田俊輔容疑者がドバイから帰国後に逮捕されたが、これもガーシー容疑者の「カネと人脈」を明らかにする狙いを秘めたものという。

捜査員の「現地派遣」が意味するもの

 すでに4月12日、ガーシー容疑者の旅券(パスポート)は失効したが、これは同日、ガーシー容疑者が滞在を続けるアラブ首長国連邦(UAE)の日本領事館にみずから出向き、「旅券紛失」と「旅券返納の意思」を伝えたことに伴う措置だった。

「ガーシー容疑者はUAE国内で“ゴールドカード”と呼ばれる10年間の滞在が認められたビザを取得しているとされ、旅券失効によって即“不法滞在”となるかは見解の分かれるところ。そのため警視庁は強制送還の実現に向け、現地に捜査員を派遣する方向で調整しており、早ければ4月中の派遣の可能性も取り沙汰されています」(同)

 警視庁による捜査員派遣の意味するところを、元東京地検特捜部検事で弁護士の若狭勝氏が解説する。

「仮に捜査員が現地に派遣されれば、ガーシー容疑者の強制送還に向けた話し合いが現地当局との間で始まることを意味します。強制送還にはUAE側の協力が不可欠なため、まず相手側に協議のテーブルについてもらわないことには始まらない。“ゴールドビザ”の存在が報じられていますが、UAEが日本との関係悪化を許容してまで、ガーシー容疑者を庇護するとは考えにくい。最終的に捜査員が現地へと派遣される可能性は高いと考えます」

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