DAZNに足元を見られるJリーグ 放映権料値上げのニュースも「値切られた残念な結果」
Jリーグは3月30日、有料スポーツ配信会社「DAZN(ダゾーン)」と2023年から33年までの11年間、総額最大2395億円で放映権契約を結んだと発表した。
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これまで結ばれていた28年まで12年間の契約を途中で見直したかたち。総額が約2239億円からアップしただけでなく、年平均でも約187億円が約218億円に急増した格好とあって、Jリーグの野々村芳和チェアマンは「ウィンウィンだ」と自画自賛し、各媒体も喜ばしいニュースとして報じたのだが、
「実はちっとも喜べません。喜ぶどころか、DAZNに足元を見られて値切られた残念な結果なんです」
とJリーグ関係者が嘆く。
発表によると、前回の契約では最低保証額に加えて成果報酬が別途配分されていた。だが、今回はそれが含まれた最大額となる。したがって、契約者数が少なければJが手にする金額は前回を下回る恐れもある。
“ステルス値下げ”
しかし、関係者によると、喜べない理由はそれだけではないという。
どういうことか。
「守秘義務があって公にはできないのですが、DAZNとの契約は、年額が毎年だんだん上がる仕組みになっています。つまり、契約から数年経ってようやく平均以上の金額がもらえる、というところで、振り出しに戻って最低金額からやり直すことになってしまったのです。“年平均額”なんて見せかけだけの、意味のない数字なんですよ」
ちなみに、17年にDAZNと初めて結んだ10年契約も、3年後に見直された。一見、金額アップだが、実はダウン――ステルス値上げならぬ“ステルス値下げ”だったのだ。
なぜJはDAZNの“値下げ要求”をのんだのか。
「人気が伸び悩んでいるJの試合を買うメディアは他にない。相見積もりが取れないんだから、言い値で売るしかありません」
しかし、なぜDAZNはJと長期契約を更新し続けるのだろうか。
「ずばりスポーツ・ベッティング解禁を待っているのです。各試合が賭け事の対象になれば、契約者数が爆発的に増えますから」
サッカーにおけるベッティングは、スペインなど欧州では合法化されている。
「税収が見込めるので、機運が高まれば、日本政府も認めるはず。その際、既にtotoがあるサッカーでの導入が最も実現可能性が高い。DAZNはそれを狙っている。どうせ3、4年後にも見直されますよ」