瀕死の重傷の後に覚醒 ベン・ホーガンはなぜ史上最高のゴルファーになれた?(小林信也)
史上最高のゴルファーは誰か? その種の議論で真っ先に名前の挙がる「天才」がベン・ホーガンだ。
1912年生まれ。11歳の時に地元テキサスでキャディーを始め、19歳でプロとなった。まだ黎明期にあって、PGAツアーで64勝(歴代4位)。メジャーも通算9勝。40年を皮切りに、PGA賞金王にも5度輝いている。
ところが、ホーガンには意外なほど低評価がつきまとい、劣等感の中でゴルフ人生を生きていた。
48年には年間10勝。文字通り「最強」の名をほしいままにする状況だったが、ホーガンはあまり人気も人望もないゴルファーだったと、いくつもの歴史書に記されている。...