移籍か残留か――復活「前田健太」と「ツインズ」の事情 第二の黒田になる可能性も

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「前田をくれ!」

 現時点で、ツインズと前田が残留交渉を進めているとの情報はない。

 また、出来高を除いた23年の前田の年俸は300万ドル(約3億9000万)だが、昨季の開幕投手、ジョー・ライアン(26)とクローザーのヨアン・デュラン(25)は72万ドル。彼らと比較すれば分かるとおり、ツインズ内では”高給取り”になる。そんな“低予算での球団経営”をさして、

「前田はメジャー通算171試合に登板した実力者(23年4月11日時点)。まだ2、3年は先発で投げてくれるはず。でも、30代半ばのメジャー投手が複数年の新契約を結び直すのは大変なこと。37歳になる今季、ダルビッシュ有が『6年1億800万ドル』(約143億円)で契約を結び直したのは、例外中の例外で、ごく一部の選手だけです。ツインズは前田のことを評価していますが、複数年を保障する経営力はありません。でも、前田クラスの代わりの投手を探すのは大変だし…。前田を残すか否かで揺れているんだと思います」(米国人ライター)

 そんなビミョ~な立場に置かれていたのを見抜かれていたのだろう。昨年12月、MLB30球団のゼネラルマネージャーや有力選手の代理人らが一堂に集まるウインターミーティングで、

「前田をくれ!」

 と、ツインズに交換トレードを申し込んできた球団がいくつかあったそうだ。

 このときツインズは「前田以外の先発投手に不安がある。でも、彼と残留交渉をしたら、おカネが掛かって球団経営も苦しくなる」と迷い、放出をためらったという。

 前田の立場からすれば、復帰と契約最終年が重なった今季、「まだ出来る」「衰えていない」というところをアピールし、ツインズとの残留交渉と「契約終了後の他球団との交渉」の両方に備えたかったはず。今のところは、「復帰したばかりだから、これから良くなるだろう」の“好意的な評価”があるだけに、今季にかけるしかないだろう。

 だが、去就を巡って意外なプランも一つ、あるのだという。古巣・広島東洋カープ時代を知る関係者がマエケンの胸中をこう代弁する。

「彼の第一希望は、来年もメジャーリーグで投げることでしょう。でも、カープの先輩である黒田博樹氏(48)のように広島に帰還し、広島で引退するプランもあるのです。来年以降の新契約で安く買い叩かれるのであれば、メジャーリーグに残留すべきかどうか考えるのではないか」

 黒田氏が帰還したのは、15年シーズン。精神的支柱としてチームを支え、翌16年からのリーグ3連覇にも大きく貢献し、レジェンドとなったのは承知の通り。「第二の黒田」の道を選ぶのなら、今季連敗スタートとなった新生・新井カープも大きく変わるだろう。

 メジャーでは契約最終年のシーズン中から残留交渉が始まる。その動向に広島の新井貴浩監督(46)も注目しているのではないだろうか。

デイリー新潮編集部

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