「衆院4補選」注目の「和歌山1区」で自民危機 「杉良太郎」まで投入し総力戦へ

国内 政治

  • ブックマーク

総力戦の構え

 だが、自民党陣営にとって、予想外の事態が発生した。

「日本維新の会が、強力な候補者を擁立してきたのです。元和歌山市議会議員で、3人の母親でもある、林佑美氏。過去の女性スキャンダルが尾を引く門氏からしたら、一番戦いにくい相手なのです。逆に言えば、維新はこの選挙区を、完全に“獲り”にきたということ。維新と言えば、先の統一地方選の前半戦において、大阪府知事選・市長選はもちろん、奈良県知事選も制し、今最も勢いに乗っている。近畿圏での勢力拡大の象徴として、この選挙区はどうしても欲しいのでしょう」

 そして、門陣営にも、思わぬ“つまずき”が。

「頼みの綱であった岸本氏の後援関係者が、門氏を応援することを、快く思っておらず、しっかり動けていないのです。長年、門氏を倒すべく動いてきたわけですから、その門氏を急に応援しろと言われても、心情的に難しいのでしょう」

 いずれにせよ、期せずしてガチンコ勝負となった和歌山1区。どうしても負けられない自民党陣営は、総力戦の構えを取らざるを得なくなった。

危機感の表れ

「告示前には、二階俊博元幹事長ら自民党幹部とかねて昵懇の俳優・杉良太郎氏が応援に駆けつけました。さらに、4月15日には岸田総理、翌日には菅義偉前総理、19日は茂木敏充自民党幹事長と、重鎮が次々に和歌山入りする予定です。菅前総理については、街頭演説だけでなく、会場を借りての演説会まで予定されています。自民党が危機感を抱いていることが、このラインナップでよくわかりますね」

 一方の維新も、吉村洋文大阪府知事、奈良県知事の山下真氏が入り、林氏にエールを送る。

「勢いのある維新が勝つか、自民党が重鎮パワーで制圧するか。いずれにせよ和歌山1区の戦いが、今回の補選のハイライトとなるのは間違いない」

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。