炎上CM「若者よ、選挙に行くな!」に今度は盗作疑惑 制作した「たかまつなな」はどう答えたか

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浮上したパクリ疑惑

 こうした批判に、たかまつ氏はネット上で反論を行った。具体的には、自身の公式Twitter、ネットメディア・ENCOUNTが4月8日に配信したインタビュー記事、そして笑下村塾の公式サイトなどだ。

「たかまつさんは、《真面目な選挙啓発は、注目されません》との認識を示した上で、CMに出演した高齢者には《悪役を演じて》もらったと説明しました。あくまでも目的は『若者は投票しなければ損をする、投票すれば得をする』ことを伝えるためであり、CMの社会的意義について理解を求めたのです」(同・記者)

 ところが、このCMに関して、もう1つ別の観点から疑問が提示されている。たかまつ氏が制作したCMに盗作や剽窃の疑いがあるというのだ。事実だとすれば、クリエイターとして致命的な問題だ。

「3月に動画がアップされると、写真家の桐島ローランドさんや元朝日新聞の記者でジャーナリストの烏賀陽弘道さんが、アメリカの選挙CM『Dear young people, "Don't Vote"(若者へ、投票するな)』と極めて類似しているとTwitterで指摘したのです」(同・記者)

動画の比較

 この「"Don't Vote"」のCMもYouTubeで閲覧が可能だ。たかまつ氏のCMと、どれほど似ているのだろうか。

 2つのCMを見比べてみると、まず高齢者がカメラ目線で視聴者に呼びかけるという撮影スタイルが、かなり似ていることに気づく。背景の質感もアメリカ版がグレー、たかまつ版が淡い藍色と微妙な違いはあるが、基本的な画面設計は一緒と言っていい。

 何より、高齢者が若者に「投票する必要はない」と呼びかけるという内容が全く同じだ。たかまつ版よりアメリカ版のほうが出演者数は多いが、女性→男性→女性→男性という登場の順序も同じだ。

 YouTubeに公開されているアメリカ版は、日本語の字幕も付いている。出演者はどんなことを喋っているのか、冒頭部分を紹介しよう。

高齢女性1「若者の皆さん」
高齢男性1「投票はやめよう」
高齢女性2「投票しないで」
高齢男性2「何もかもうまくいっているじゃないか」
高齢女性3「トランプ! 私たちが選んだのよ」
高齢男性3「彼こそ我々の指導者だ」

 2つのCMには、出演者が具体的な社会問題について触れ、改革の必要性はないと主張する場面がある。仮にアメリカ版を“オリジナル”とすれば、その社会問題が日本人の有権者にとって縁遠い場合、たかまつ版は類似の問題に置き換えたようだ。

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