5歳年下の妻から浮気を追求され逆ギレ、離婚された47歳男性の告白 「元妻がしたことには納得がいかない」

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最後にさらけ出した「年下のわがまま」

 そこから猛烈なアプローチが始まった。自分があなたの人生を引き受けると口説いた。当初、雅貴さんは紗都子さんが5歳年上とは知らなかった。その後、自分が年下だとわかっても気持ちは変わらなかった。

「いい家庭を作りたい。あなたと一緒なら理想的な家庭ができると熱を込めて語りました。僕を頼って、あなたは好きなようにしてくれればいい、と」

 彼女の気持ちが少しずつ傾いてくるのがわかった。彼女が早く結婚したいと思っていることも伝わってきた。だから一気に攻めた。

「幸い、当時の僕の収入はそんなに悪くはなかった。浪費するタイプでもないし、昔から貯めていたお金もけっこうあった。親がもっているマンションがあるから、住むところにも困らない。だからすぐに子どもが産まれても大丈夫と口説きました」

 最初にふたりで会ってから半年で、彼は彼女から結婚してもいいと承諾を得た。とんとんと話を進め、最終段階で、彼は彼女に仕事を辞めてほしいと訴えた。「え?」と不審そうに言った彼女に、ここは年下のわがままをさらけ出した。

「自分に自信がないから、紗都子が外で働くと家庭がうまくいかなくなると思う。家庭のことは任せる。僕は思いきり仕事をして稼ぐ。稼いだお金はすべて紗都子に管理してほしい。僕のすべてを紗都子に捧げるからと必死でした」

 共働きだと両親のようになってしまう。そんな不安があったのだろう。彼女は「子どもができるまでは働きたかったんだけど」と言いつつも、彼のわがままを受け入れてくれた。

「釣った魚に餌は…」

 結婚したとき、雅貴さんは24歳、彼女は29歳だった。彼の両親はこの結婚に大反対だったという。若すぎる。それだけが理由だった。紗都子さんの両親も、年下と結婚するのが不安だったようだ。そのため、大々的に結婚式はせず、ふたりの両親と紗都子さんの弟、総勢7人で食事をして顔合わせをしただけだった。

「その席で、双方の両親が『まあ、若いとはいえ大人だから、ふたりに任せましょう』みたいなことを言っていました。僕はひとりで有頂天になっていた。紗都子みたいな女性を育てた両親には本当に感謝していました。学生時代の友人たちにも、もう結婚しちゃうのかよと言われたけど、これを逃したら次はない。とにかくかわいくて素敵な女性なんだからと言いまくっていました」

 ところが理想と現実は大きく異なった。当たり前の話だ、紗都子さんにも意志がある。雅貴さんは、悪気はなかったとはいえ、「紗都子は自分の思い通りになる」と思い込んでいたのだ。本当は仕事を続けたかった彼女に退職させたのはいいが、自分は今まで通りの生活を変えようとはしなかった。

「だって社会人3年目ですよ。残業もあれば、当時は先輩や上司とのつきあいも多かった。下っ端だから、とにかく必死でした。周りに好かれて仕事もできる男にならなければいけない。出世して紗都子に尊敬されたい。そんな思いでいたんです」

 だが紗都子さんはそうは感じていなかった。新婚なのに、自分は家庭に閉じ込められて夫は毎晩遅くにしか帰ってこない。なんのために結婚したの、あなたは私と一緒に家庭を作ろうと言ったのにちっとも家庭に関心をもってくれないじゃないと責められた。

「今になってみれば、本当に申し訳ないと思うけど、当時は釣った魚に餌はやらないというか、もう紗都子は僕のものだからちょっとやそっとでは離れていかないと思い込んでいたんですよ。ある意味で、結婚がゴールになってしまった。達成感があって、あとは手を抜いても大丈夫という気持ちがあった」

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