「何てかわいそうな結末…」 台湾で勃発した「脱走ヒヒ騒動」
主張を一転させたテーマパークに非難が集中
そこにまた、新たな火種が出現する。六福村テーマパークは29日深夜、声明を突如発表。「死亡したヒヒは当園から逃げたもの」と“白状“したのだ。
18日から捕獲作戦に参加していた六福村テーマパークは、広大な敷地に遊園地や動物園などを有する台湾随一の総合レジャー施設。ヒヒを放し飼いするエリアもあるため、「桃園のヒヒ」はそこから脱走したのではないかという指摘が相次いでいた。六福村テーマパークはこの指摘を再三にわたって否定していたが、死亡後に主張を一転させたのだ。
30日午前の謝罪会見では、六福村テーマパークの上層部が深々と頭を下げた。撃たれた後の救命措置中に見つかった不妊治療の跡で、脱走したヒヒだと判明したという。また、発砲を命じたとされる「六福村テーマパークの獣医師」については、「現在調査中」とした。
人々はこの会見内容に納得しなかった。ネット上では「ヒヒは逃亡中に誰も(人間を)傷つけなかったのに、こんな風に殺されるとは思っていなかった!」「チケットを3枚持っているけど、もう行きません」といった怒りの声があふれ、見事に“大炎上”。猟師が所属する協会も、六福村テーマパークの一連の発言は「嘘だらけ」と激しく非難した。
六福村テーマパークが一転してヒヒの所有を認めた背景には、園内のヒヒの頭数を正確に把握していなかったという事実があるようだ。ヒヒの飼育エリアは広さが4ヘクタールに及び、ヒヒの頭数をカウントするのは非常に困難だという。
行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)林務局と新竹県の関係者、専門家らは31日、六福村テーマパークへの立ち入り検査を実施。脱走防止設備は不十分との結果を発表し、1か月以内に脱走防止設備を改善することと、半年以内に個体識別用マイクロチップを全頭に埋め込むことを求めている。
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