著名人を尻目に“無名の港区議”が自民「東京27区」候補に大抜擢、背後にチラつく「森喜朗元総理」の影

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有名人や議員関係者を押しのけて

 今年1月になって黒崎氏は突然、国政への挑戦を表明。港区議選には出馬しないことも併せて発表したのだ。

「しかも、出馬を目指す選挙区まで表明したのです。彼が口にしたのは、次回の衆院選から港区と渋谷区が区域となる、新・東京第7区でした。たしかにこの時点では自民党の候補者はおらず、港区議の経験も人脈も存分に活かせる訳ですから、黒崎氏もここがピッタリだと思ったのでしょう」

 ところが、ことはそううまく運ばなかった。

「自民党参議院議員の丸川珠代氏が、その7区からの出馬を検討しており、その動きを自民党港区支部も、渋谷支部も、支持すると言う方向に傾いてしまったのです。丸川氏は参院議員ながら大臣を3度も経験し、自民党東京都連の会長代行でもある。黒崎氏にそれを覆す力は当然ありませんでした」

 そんな中、急遽27区の公募が決まり、黒崎氏も応募したわけだが、さて一体なぜ、数多くの有名人や議員経験者を押しのけて、黒崎氏に白羽の矢が立ったのか。“ほぼ無名”の区議が大抜擢された背景に見え隠れするのは、

「自民党最後の重鎮・森喜朗元総理大臣の存在です。実は、黒崎氏はもともとラガーマン。明大ラグビー部では全国一位にも輝き、黄金期を築き上げた人物なのです。その縁で、社会人時代から森元総理とは昵懇。黒崎氏自身のホームページを開くと、森元総理とのツーショットが掲載されています。そのため、黒崎氏選定の影に、森元総理が関わったのではないかと噂されているのです」

自民党本部に森元総理が

 それを裏付けるかのような出来事も。

「27区の候補者が発表される前日の4月6日、森元総理の姿が、自民党本部に入る姿が目撃されています。森元総理がわざわざ党本部を訪れることはなかなかないため注目されたのです。森氏は自民党東京都連会長の萩生田光一氏の部屋に入ったとみられています。そして、その翌日に27区の候補者の発表ですから、“森さんが最後の一押しをしたのでは”と噂が立ったのです」

 黒崎氏選定の影に、森元総理の存在――。噂は本当なのか、黒崎氏ご本人に話を伺った。

――森元総理とは実際に仲が良いのか。

「仲がいいとか、そんな対等の関係ではもちろんありません。雲の上の存在です。電話をいただくことはあっても、私からかけることはもちろんありません。ただ、ラグビーを通じて、さまざまな形でお会いすることがあり、大変お世話になっております。私の初陣である、2015年の港区議選では、必勝の為書きをいただきましたし、2019年に日本で行われたラグビーワールドカップの際には、秩父宮ラグビー場が港区にある関係で、大会の成功に向けて、港区議として先生(※森元総理のこと)とさまざまなやり取りをさせていただきました」

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