「マスターズ」が高視聴率を記録も…反リブゴルフの余波で生まれた憶測や深読みの数々

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ディナーではおとなしかったミケルソン

 PGAツアー選手とリブゴルフ選手が呉越同舟となった初めてのマスターズは、両者の確執や小競り合いが予想され、警戒もされていた。とりわけ、開幕前の火曜日に開かれる過去の優勝者たちによるチャンピオンズ・ディナーは、両者が同じテーブルに着くため「最悪のムードになるのでは?」と心配されていた。

 しかし、ディナーに参加した1973年大会の覇者、トミー・アーロン(米国=86)いわく、「リブゴルフ選手は終始おとなしかった。ミケルソンはほとんどしゃべらず、存在感は薄かった」。

 そしてディナーではリブゴルフのことを何一つ主張しなかったミケルソンが、最終日に快進撃を披露し、自身の存在感を強くアピールした。

 ミケルソンはマスターズ3勝の実績を誇っているが、52歳でのトップ5入りは史上最年長記録。そのとき彼は何を想い、何に対して喜びを感じていたのだろうか。彼はこう語っている。

「52歳にして肉体の故障がなく、痛みもなく、望んだ通りにクラブを振ることができる。そうやってゴルフの試合で戦える人は、年齢を重ねた中では決して多くはない。そのチャンスを授かり、このマスターズで世界のベストプレーヤーたちを相手に戦うことができる自分は、とてもラッキー。その幸運に感謝している。そして、過去のマスターズ優勝者として、この戦いの一部で居られることの意義はとても大きい」

 心身ともに健康でゴルフができること、マスターズで戦えることに感謝し、その喜びを噛み締めているミケルソンの心情が伝わってくる言葉だった。

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