タモリにかけられた最後の言葉は? 安齋肇が明かす「空耳アワー」秘話
“最後も遅刻すれば面白かったのに”
ファンの間で衝撃が走ったのはコロナ禍が吹き荒れる2020年。コーナーの“休止”が発表されたのだ。
「いくつか理由はあると思います。まず、パンツ一丁の男たちが過密状態の中でチューをするような映像を作りにくくなりましたよね」
コンプライアンス関連でも壁が立ちふさがる。
「ビートルズの『I Want To Hold Your Hand』が“アホな放尿犯”に聞こえるという空耳がありましたが、今だったらアホをどう映像で表現するのかというと、なかなか難しいでしょう」
その後は半年に1度、新作発表会が行われることに。そして、今年3月24日に放送された最後の「空耳アワー」の収録でのこと。
「控室から現場に向かうエレベーターでタモリさんと一緒になったんです。タモリさんは“遅刻しなかったの? 最後も遅刻すれば面白かったのに”って。“最後”というのはタモリさんも意識していたんですね。収録後にお話ししようと思ったんですけど、僕のところにスタッフたちが“お疲れさまでした”って声を掛けにきてくれて、その間にタモリさんは帰っちゃいました」
“あと10年できるね”
最終回では、
「これまで採用された空耳が4千本で、さらに1500本ものお蔵入り作品があると明かされましたが、タモリさんは“あと10年できるね”と言っていました。『タモリ倶楽部』の最終回も観ましたよ。最後に簡単なあいさつをしただけで、タモリさんらしかったですね。記念日を嫌がるというか、恥ずかしいんだと思います」
として、こう締めくくる。
「30年、僕はタモリさんの隣でバンド名と曲名を読んだだけ。最後のほうはそれすらしないこともありましたが、ソラミミストはもう引退です。これからは……元ソラミミストですかね」
ちなみに安齋さんはタモリの連絡先を一切知らないのだとか。