レッドソックス「吉田正尚」の不運 記念ボールがとんでもない金額で取引きされる事情…ヤ軍「ジャッジ」の場合

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 続報が次々に配信されたが、ここでは“原点”の報道をご紹介しよう。4月5日、THE DIGESTは「吉田正尚の初本塁打記念球は戻ってこず。レ軍の交渉を拒否した保持家族の行動に賛否両論『どうしてこだわるの?』」、東スポWEBは「【MLB】吉田正尚 初本塁打の記念ボール返って来ず『我々は諦めた』」との記事を配信した。

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 東スポWEBは、次のように報じた。

《レッドソックスの吉田正尚外野手(29)の元にメジャー初本塁打の記念ボールが戻ってこないことが分かった》

《球団はこのボールをスタンドでゲットしたファンから入手しようと交渉を続けていたが、断念した》

 4月5日以降、テレビやラジオ、新聞、ネットなど、ありとあらゆるメディアが騒動を大きく報じた。

 メジャーリーグもプロ野球も、ホームランのボールはファンサービスの一環としてとして観客が持って帰ることができる。それがなぜ、こんな騒ぎになってしまったのか。メジャーリーグ研究家の友成那智氏が言う。

「メジャーリーグの場合、100号や200号といった選手にとって節目のホームランボールや、連続ホームランといった新記録が達成された時のボールは、球団職員が外野スタンドを見守り、誰が取ったか把握します。そして試合中にボールを取った人のところへ向かい、『返していただけますか?』とお願いするのです。ほとんどの観客は快く応じてくれます」

交渉を拒否した選手

 もちろん“見返り”なしに返却してもらうわけではない。レッドソックスはボールを手に入れた観客に、《サイン入りのボール、バット、バッティング手袋、マサ(吉田)との面会》などの返礼品を提案した。だが、交渉はまとまらなかったという。

 友成氏は「同じように交渉がまとまらなかったケースとしては、スラッガーとして人気を集めたショーン・グリーン(50)のエピソードが有名です」と言う。

 グリーン外野手は1991年のドラフトでブルージェイズに入団し、ドジャース、ダイヤモンドバックス、メッツで活躍。2007年までプレーしたが、彼のホームランボールを巡ってトラブルが発生したことがある。

「グリーンの記録がかかったホームランボールをキャッチした観客に、球団職員が返却の依頼に向かいました。ところが観客は約2万ドル(約260万円)を要求したのです。グリーンはこの条件に納得せず、『それならボールはいらない』と交渉を自ら打ち切ってしまいました」(同・友成氏)

 アメリカではプロスポーツにまつわる記念品が高値で取引される。スポーツ人気を支える重要要素と言えるほど盛り上がっているため、市場規模は大きく、動く金額も桁違いだ。

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