今年の巨人投手陣を総点検 原監督の予言を実現させるために必要な4選手は

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新外国人選手と若手にも不安点が

 以上のように、開幕カードに投げた先発3投手は、見事に全員QSをクリアした。そこに続くのがメンデスと横川である。

 メンデスは、平均150キロ前後のキレのある速球にチェンジアップ、スライダー、カーブを駆使する投球が持ち味の左腕。オープン戦は登板3試合で被安打8、奪三振10、失点自責点ともに3で防御率2.38だった。

 横川は20年に1軍昇格して以降、実働3年で5試合に登板した。通算成績は0勝2敗で防御率は4.86に留まっている。

 しかし、昨秋から右手を高々と上げてから左腕を振り下ろす豪快な投球フォームに変更。130キロ台中盤だった球速は常時140キロ台中盤を計測するまでにアップした。オープン戦では3試合に登板して被安打7、奪三振12、失点1、自責点1で防御率0.60の成績を収め、先発ローテーションを勝ち取ったのだった。

 5人がここまで結果を出したものの、気になる点がある。まず、新外国人選手は未知数な部分が多いことだ。環境の変化など、即座の適応が難しい部分もあり、過度な期待は禁物といっていい。

 若手投手2人も、経験と実績に乏しい点がマイナスだ。彼らの成長に期待したいものの、シーズン143試合を通してローテーションを守れるかというと、疑問符がつく。

新たな先発投手候補は?

 となれば、新たな先発投手候補に期待するしかない。その1番手と思われるのが、2020年のドラ2右腕・山﨑伊織である。

 昨季は20登板で97回1/3を投げ5勝5敗、防御率3.14をマーク。将来のエース候補として期待が大きかったが、コンディション不良により2軍での調整を余儀なくされていた。

 しかし、2軍では2試合に登板(4月4日時点)し、9回被安打7、奪三振8、失点3、自責点1で防御率1.00と好投。復調ぶりをアピールしており、いつ1軍に呼ばれてもおかしくない状態となっている。

 先発投手陣が不安となれば、より増すのがリリーフ陣の重要性だ。だが、昨季のリリーフ防御率もリーグワーストの3.78。その中心となったベテランや中堅組のメンバーだけでは安定感に欠けているのも事実である。

 そこで注目したいのは4人の若手だ。まずは今季復活を期す2人、16年の高卒ドラ6左腕・大江竜聖と18年の高卒ドラ3右腕・直江大輔である。

 大江は昨季1軍登板わずか3試合のみも、今季はオープン戦6試合に登板し、4回1/3で被安打2、防御率0.00と好調。公式戦ではここまで2試合に登板し、左打者5人全員を完璧に抑えている。

 直江は昨季9試合に登板し、プロ初勝利を記録した。今季のオープン戦で5試合に登板し、6回2/3で被安打4、防御率1.35と好投。ここまで公式戦では開幕戦に登板し、2/3回をきっちりと抑えている。

 新戦力で期待したい投手も2人。まずは昨年のドラ5右腕・船迫大雅だ。社会人出身の26歳のオールドルーキーは、サイドハンドから繰り出す最速150キロの伸びのある直球が魅力。そこに曲がりの大きいスライダーを交えて打ち取っていく力投型である。

 オープン戦は5試合に登板し、4回1/3で被安打1、失点自責点ともに4で防御率8.31。公式戦ではここまで2試合に登板し、右打者4人を4三振に仕留める完璧なピッチングを披露した。即戦力右腕として期待通りの活躍ぶりだ。

 この投球内容なら、右の強打者が並ぶ際は船迫、ここぞという時は船迫という起用もあり得る。今季フル回転で登板する可能性はかなり高い。

 もう1人は2021年の高卒ドラ6左腕・代木大和だ。打者の膝元に投げ込むキレのあるカットボールを武器に、オープン戦では8試合に登板。10回を被安打6、奪三振8、失点自責点ともに2で防御率1.80という安定した投球を披露し、プロ2年目の今季は待望の開幕1軍入りを果たした。

 公式戦ではここまで1試合に登板し、1回打者4人に対して与四球1だったものの堂々のプロ無失点デビューを飾っている。

 抑えには昨季入団1年目ながら“絶対的守護神”として活躍し、新人王も受賞した大勢が君臨している。いかに大勢まで繋ぐことが出来るかが、今年の読売リリーフ陣のポイントでもある。この4人の活躍に期待したい。

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