今年の巨人投手陣を総点検 原監督の予言を実現させるために必要な4選手は

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特に先発ローテーション投手が不安

 今季の日本プロ野球、今年も「リーグV奪還が至上命題」とされている巨人(読売ジャイアンツ)が注目されている。昨季は5年ぶりのBクラスに沈んだが、その最も大きな要因は思うような結果を残せなかった投手陣だろう。

 昨シーズンはチーム防御率3.69を筆頭に、与四球414、与死球65、奪三振975、失点589、自責点523といずれもリーグ最下位。先発防御率もリーグ4位の3.64、QS率も同4位の49.0%で、これらの数字から投手陣の全体的な強化が早急な課題となっているワケだ。

 にもかかわらず、今年も投手陣の不安は拭えていない。特に先発ローテーション投手だ。昨シーズン10勝を挙げたエース・菅野智之が右ヒジの張りで離脱(現時点では2軍での登板日未定)したため、タイラー・ビーディが球団史上初の「新外国人投手で開幕投手」という異例の事態になった。

 このほかの先発ローテーションの布陣は、先のWBCで活躍した戸郷翔征、新外国人のフォスター・グリフィンとヨアンデル・メンデス、プロ2年目右腕の赤星優志、そして18年のドラ4左腕の横川凱だ。

 中日ドラゴンズとの開幕カード3連戦こそ接戦をモノにして勝ち越したものの、今のところ確実に計算できるのは昨シーズンチームトップの12勝を挙げた戸郷のみという状況なのだ。

開幕カード3連戦の先発投手、出来は?

 まずは中日との開幕カード3連戦から、先発投手を詳しくみていこう(文中の成績は4月4日現在)。

 3月31日に開幕投手を務めたビーディは、平均154キロ前後の速球とチェンジアップが武器の右腕。中日戦では6回被安打10、奪三振5、失点自責点ともに2の粘投をみせた。

 3試合に登板したオープン戦では、被安打6、奪三振5、失点自責点ともに3で防御率2.61。その最後の登板では与四死球5と制球力が課題だったが、中日戦で無四死球投球を披露した点は1つの成果といえる。

 グリフィンは鋭く曲がるカットボールとフォーシームを中心にカーブ、チェンジアップなどで投球を組み立てる左腕。第2戦(4月1日)の登板では、7回被安打3、7奪三振、失点自責点0の見事な投球内容で勝ち投手となった。3試合登板したオープン戦では、被安打13、奪三振14、失点6、自責点4で、防御率2.77の安定した成績を収めた。

 第3戦(4月2日)に登板したのは赤星だ。昨シーズンに新人ながら31試合に登板し、うち13試合に先発して5勝5敗、防御率4.04をマーク。オープン戦でも3試合に登板し、被安打6、奪三振9、失点2、自責点2で防御率1.29だった。

 2日の中日戦でもその好調を維持し、7回被安打5、奪三振5、失点自責点ともに1。初勝利の権利を得て降板するも勝ち星はつかなかったが、走者を出しながらも冷静な投球が光っていた。

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