サザン桑田、小泉今日子ゆかりのカフェが「撤去命令」に抗戦 鎌倉市の対応に社長は「飲食店を見下している」

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戦後のどさくさ

 肝心の市のトップは何と言うか。いざ鎌倉の松尾崇市長(49)に尋ねると、

「急に出ていけというのでは相手のご都合もありますから、昨年末までの契約でもう継続しませんよ、というのは前からお伝えしていました。でも先方は契約がないまま営業を継続しています」

 店が行った検査では耐震性に問題はないが?

「それは我々の関与できていないことですね。行政側で頼んだところでやってますから。意図して変な結果を出すためにやってるわけでは全然ないので」

 そして、こう続ける。

「鎌倉には戦後のどさくさにまぎれて続いてきた施設があり、あの一帯もそう。後世の人たちが苦労しないように、ここでちゃんと区切りをつけようというのが私の方針です。行政の持ち物は市民の持ち物。公平、公正な目で見ると、あそこを独占的に毎年更新しているということ自体が、あまりいい状況じゃありません」

 観光名所がなくなることについてはどう思うか?

「もちろんいい気持ちはしません。愛されてきたお店なのでね。ただ、愛されてるからいいとは言えない立場を理解いただきたいです」

「飲食店を見下しているのではないですか」

 吉澤社長が再び嘆く。

「同じ公園内には、ホテルや老人ホームもありますが、市に撤去しろと迫られているのはうちだけ。飲食店を見下しているのではないですか。東京・日比谷公園のレストラン『松本楼』は、明治時代から同じ事業者が経営していますが、公共性が認められて現在まで続いています。うちの店には県の内外からお客さんが来て、公共性から見ても地域経済に貢献している自負がありますよ」

 店の存続を求める1万人以上の署名も集まったという。さて、どうする鎌倉殿?

週刊新潮 2023年4月6日号掲載

ワイド特集「晴天の霹靂」より

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