サザン桑田、小泉今日子ゆかりのカフェが「撤去命令」に抗戦 鎌倉市の対応に社長は「飲食店を見下している」

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 日本史上、たびたび戦(いくさ)の舞台となってきた古都・鎌倉市。令和の今日でも“官vs民”の静かなる攻防が繰り広げられている。観光名所としても名高い老舗カフェに、市が昨年限りの撤去命令を出していたのだ。いよいよ店側が反乱ののろしをあげて――。

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 鎌倉の中心市街地から国道134号線を江の島方面に向かうと、稲村ヶ崎の海岸沿いにエキゾチックなカフェレストランがある。1955年創業の「ヴィーナスカフェ」である。

 サザンオールスターズの桑田佳祐が監督した映画「稲村ジェーン」に登場。小泉今日子の主演ドラマ「最後から二番目の恋」では、飯島直子演じる水谷典子のバイト先として親しまれ、最近でも「King & Prince」を脱退する岸優太主演の映画「Gメン」(今夏公開予定)のロケ地となるなど、有名な“聖地”なのだ。

社長は「市は取り付く島もない」と困惑

 その老舗に撤去命令が下されたのは昨年3月のこと。

「市は、カフェの建物に“倒壊の恐れ”があるから閉めて更地にして出ていけというのです」

 と語るのは、カフェを経営するメイン商事の吉澤治郎社長(53)である。

「店のある一帯は鎌倉海浜公園の敷地。そのため毎年、所有者である市に申請書を提出して営業を続けてきました。ところが昨年、契約は12月で打ち切り、もう営業の許可はしないと言われました。もし補修が必要ならこちらが負担すると申し出ても、取り付く島もないありさまです」

 そこで、社長は動いた。

「そもそも、2年前にうちが自費で依頼した建築士は“補強すれば耐震性に問題はない”と言っているのです。どうしても納得できないので、3月9日に処分取消を求める行政不服審査を請求しました。20日には市側から、審理員が指名されたという通知が届いています」

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