Z世代のコンビニの使い方 「あってほしいサービスは?」にまさかの回答の世代感覚

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渡辺氏の講義を受けた芝浦工大生たちの感想

 今回、学生へのヒアリングの前に、渡辺氏は臨時講師として原田曜平氏の講義に登壇し、「コンビニを見たら日本経済がわかる」をテーマに講義を行っていた。後日、この講義の感想が学生たちから届いたので、最後にその一部を抜粋して紹介しよう。

「コンビニという身近な存在を通して、様々な切り口から経済の今を解説していく授業は、とても興味深いものだった。特に飲食業界の業界間の垣根の消失しつつあるとのお話は、飲食だけでなく様々な業界にも起こりうる話だと感じた」

「私にとってコンビニは生まれた時から身の回りに沢山あり当たり前の存在となっていた。毎日のように利用していて、昔からのコンビニの変化に気づかなかった。しかし今回の講義で様々な変化を知ることができた。気づかないくらいコンビニは私の生活に密接に関わっていたんだと思う」

「スーパーがゲームセンターに置いてあるゲーム機とするならば、コンビニは常にアップデートされるオンラインゲームのような感覚があります」

「興味深かった事は、昔は客の年層が低く、それに合わせた商品開発が行われていたが、今は客の年層が高いため若い人向けにはあまり作られていないということだ。時代の変化とともに需要と供給が変わってる面白い例だと思った」

「コンビニは規模の大きさより革新的な施策や経済問題の解決方法などを考える上で非常に参考になると同時に、優れたインフラを平等に維持することへの難しさと、その解決に向けた糸口を思索している非常に興味深い分野であると考えました」

「(コンビニを)建築的な側面で考えると、同じようなファサードのお店が日本中に溢れていることは、各地の景観が同じになってしまうという懸念もあります。プロモーションの観点だと同じファサードの方が都合が良いということもわかりますが、スターバックスのように建築家がコンビニを設計することが増えてもよいのではないかと思いました」

(聞き手:松本晋平/ライター)

原田曜平(はらだ・ようへい)
マーケティングアナリスト。1977年東京都生まれ。広告業界で各種マーケティング業務を経験したあと、2022年4月から芝浦工業大学の教授に就任。ほかにも、信州大学・特任教授、玉川大学・非常勤講師、BSテレビ東京番組審議会委員なども務める。専門は日本や世界の若者の消費・メディア行動研究およびマーケティング全般。おもな著書は『寡欲都市TOKYO 若者の地方移住と新しい地方創生』(KADOKAWA)、『Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』(光文社)など。

渡辺広明(わたなべ・ひろあき)
流通アナリスト。コンビニジャーナリスト。1967年静岡県浜松市生まれ。株式会社ローソンに22年間勤務し、店長、スーパーバイザー、バイヤーなどを経験。現在は商品開発・営業・マーケティング・顧問・コンサル業務など幅広く活動中。フジテレビ『FNN Live News α』レギュラーコメンテーター、TOKYO FM『馬渕・渡辺の#ビジトピ』パーソナリティ。近著『ニッポン経済の問題を消費者目線で考えてみた』(フォレスト出版)。

デイリー新潮編集部

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