Z世代のコンビニの使い方 「あってほしいサービスは?」にまさかの回答の世代感覚

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『あなたとコンビニとニッポン』原田曜平&芝浦工業大学×渡辺広明

 全国5万8,000店舗、年間159億人が買い物する“コンビニ超大国ニッポン”。老若男女、昼夜を問わずさまざまな人が訪れるコンビニは、その目的や利用方法も人によってさまざまだ。「コンビニとの付き合い方」を覗いた先に見えてくるものとは? コンビニジャーナリスト・渡辺広明氏が、ゲストを招きコンビニについて大いに語り合う──。

 ゲストはマーケティングアナリストの原田曜平氏(46)である。若者研究の第一人者としても知られ、2022年4月からは芝浦工業大学の教授を務めている。今回、原田氏の講義に出席する学生たちに協力してもらい、コンビニに関する意識調査を実施。結果を元に渡辺氏と原田氏がZ世代のコンビニ観を分析した。

芝浦工大生への質問(1)「週何回コンビニを利用する?」

【おもな回答 (よく購入する商品/よく利用するコンビニ)】
・週3回程度(水、ガム/ファミリーマート)
・週3,4回(酒のつまみ/セブン-イレブン)
・週3,4回(食品/ローソン)
・週3,4回(グミなど/とくになし)

──「週3,4回程度」と回答した学生が多かったです。

渡辺広明(以下、渡辺):常連ではあるものの、購入商品を聞いた限り客単価はあまり高くないようですね。印象に残ったのは「セブンで酒のつまみを購入する」と回答した学生です。近年、コンビニは酒売り場の拡大を図っていますが、この学生はお酒だけは価格が安い近隣のドン・キホーテを利用しているとのことです。「セブンのつまみが美味しいから」という理由で目的の商品だけを購入し、定価販売のお酒は買わない。“複数の店舗に行く手間”よりも“お財布事情”を優先するのは学生らしいと言えそうです。原田さんご自身はコンビニを利用しますか?

原田曜平(以下、原田):ほぼ毎日利用しています。買う物は昔から決まっていて、焼きそばパンとコーヒーくらいですかね。あと、最近はSNSでバズったりするモノ、特にスイーツなども多いので、若者研究として見学しに行ったりします。太っちゃうので自分では食べられませんが(笑)

渡辺:よく行くのはどのチェーンですか?

原田:とくにチェーンのこだわりはないです。あまりコンビニ自体に期待していないのかもしれません。若い頃はコンビニにワクワクする感覚が確実にあったんですけどね……。

──ほかにも「ガム」を購入するという話を聞いて、渡辺さんは驚いていましたね。

渡辺:近年、若者のガム離れが顕著なので、質問した学生のなかにガムを食べる若者がいたことに驚きました。明治が2023年3月いっぱいでガム事業から撤退するというニュースは記憶に新しいですが、どのメーカーもガムには苦戦しています。一方、ガムの代わりに好調なのがグミで、2020年に入ってグミ市場はガム市場の売上を上回りました。

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