プラモデルのタミヤが「ウクライナ軍仕様のレオパルト2」を発売 専門家も「絶対、買って組み立てる」というワケ
組み立てで得られる専門知識
プラモデルは当初、子供向けの玩具だったが、次第に大人の購入者を意識し、価格を上げる代わりに精密なデザインを実現するようになったという。
「高度経済成長期までは、プラモデルは電池を入れて動かすのが常識でした。モーターを収納するスペースを作ったり、キャタピラをゴム製にしたりするほうが重要で、リアルなデザインは二の次だったのです。ところが、プラモデル文化が成熟するにつれ、大人が『様々な光景をプラモデルで再現する』ことを楽しむようになりました。車が好きな人は車のプラモデルを使って交差点の光景を再現したり、船が好きな人は船のプラモデルを使って海上の様子を再現したりするわけです」(同・軍事ジャーナリスト)
光景の再現にリアルなデザインは不可欠だと言える。特に兵器のプラモデルとなるとなおさらだ。そして実際の兵器を高度なレベルで再現するプラモデルが発売されると、軍事の専門家やジャーナリストも購入して組み立てるようになったという。
「アメリカとロシアの戦車を作ってみると、例えば冶金技術の違いが明確に分かります。ロシアの戦車の砲塔は生産が容易な鋳造製なので丸い形をしています。一方、アメリカをはじめ西側の戦車の砲塔は、軍事機密の特殊素材で構成された装甲板で構成されていて角張った形をしています。こうしたデザインから、ロシアには西側の様な特殊な装甲板を作る技術がないことが分かります。またレオパルトなら、最新型になるほど様々な改良が行われていることがプラモデルにも反映されています。一方、ロシアはT-55、T-62、T-72とモデルが新しくなっていっても、さほどの違いがないことがプラモデルでも実感できます」(同・軍事ジャーナリスト)
専門家が情報収集で得た“机上の知識”が、プラモデルを組み立てると“3D化”されるというわけだ。タミヤのプラモデルは、それほどリアルなのだという。
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