プラモデルのタミヤが「ウクライナ軍仕様のレオパルト2」を発売 専門家も「絶対、買って組み立てる」というワケ
リアルさの追求
実物を小さくしただけだと、プラモデルとして商品化した際、かえってリアルな印象が薄れることがあるという。ほんの僅かだが、デフォルメしたり省略したりする必要があるといい、そこがタミヤにとっては腕の見せ所になる。
「一方、ロシア製の兵器は、旧ソ連時代に徹底した情報管理が行われていました。プラモデルの設計に際して旧ソ連に協力を要請しても拒否されたため、中東戦争でソ連製戦車を鹵獲したイスラエル軍に頼んで現物を見させてもらったというエピソードが残っています」(同・軍事ジャーナリスト)
多数のT-72が被害を受けたロシア軍は、“骨董品”と呼ばれるT-62やT-55もウクライナの戦場に投入した。世界中のメディアがニュースとして報じたのは記憶に新しいが、T-62もT-55もタミヤは商品化している。
「『戦場で何が起きているのか、プラモデルを通じて人々に伝える』という意識が、タミヤの商品ラインナップからは伝わってくるように思えます。戦車や戦闘用車両を充実させるだけでなく、戦車の運搬車、ヨーロッパの信号や標識、兵士が使う武器類や背嚢、土嚢といったものも製品化されています。とてもではありませんが採算ベースには乗っていないでしょう。それでもリアルさを追求するため様々なものが商品化されているのです」(同・軍事ジャーナリスト)
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