【山口ダブル補選】4区で林芳正派が「有田芳生氏をウラ支援」? 2区では立民・菅グループが「共産党との対立を煽った」
共産党をブチ切れさせた平岡秀夫元法相の出馬
そんな林陣営の「意地の悪さ」が露呈する出来事も起きた。
3月5日に、岸田首相が吉田陣営の応援に下関入りした時のことだ。JR下関駅前のショッピングモールの宴会場には、安倍氏の後援会関係者を含めた支援者、地元議員ら約650人が集まった。だが、
「林系の県議は誰も出席せず。出席していた林派の市議は、岸田さんの応援演説が終わるや否や、全員立ち上がって退出した。続いて吉田氏が登壇した時、最前列はガラ空き状態に」(同)
一方、岸信夫前防衛大臣が辞職した2区。こちらは立民内部の争いだ。自民からは信夫氏の次男で元フジテレビ記者の信千世氏(31)が早々に出馬を表明。全国的には世襲批判が高まったが、地元では圧勝の様相である。
「だから当初、立民は擁立を断念し、野党候補は共産党に任せるということで一度話がまとまったんです。ただ、3月半ばに4区で有田氏を擁立した後、反主流派の菅グループが『2区も立てるべきだ』と騒ぎ出した。それで、大串博志選対委員長がダメ元で、岩国市出身の平岡秀夫元法務大臣(69)に声をかけたら、本人がやる気になってしまった」(同)
これに怒ったのは共産党である。
「共産党は立民が出さないというので、わざわざ岡山まで出向いて女性候補者を探し出し、お披露目まで終わったところだったのです。党中央が『4区で有田氏を擁立することについて目を瞑ってやったというのに、ふざけるのもいい加減にしろ』と怒り出す事態になった」(同)
菅グループが仕掛けた政争?
これについては補足説明が必要であろう。有田氏は、芳生という名前がヨシフ・スターリンから取られていることからもわかる通り、もともとは共産党員。裏切り者を許さない共産党からすると、“不倶戴天の敵”なのである。だが、今回、共産党は有田氏の過去を問わず、支援する方針を示していた。
「そんな恩を仇で返したと共産党はブチギレたんです。結局、共産党候補は出馬を断念し、平岡氏は無所属で出馬することになりましたが、一時両党はギクシャクする事態になりました」(同)
党内では、これは菅グループが仕掛けた泉健太代表おろしのムーブだと言われている。
「菅グループとしては、2区も4区も完膚なきまでに負けさせ、執行部の責任を問いたいと考えている。それを狙って、平岡氏擁立を執行部にけしかけたようなのです」(同)
与野党ともに、かくもみっともない足の引っ張り合いをしているわけである。
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