6度のがん手術、放射線治療…「坂本龍一さん」逝去、医療関係者がショックを隠せない理由

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「がんとともに生きる」

 腫瘍を摘出する外科手術も免疫力の低下を招くなどのリスクは避けられず、そのため治療後のケアが非常に重要だという。

「治療とセットで行われる検査についても、無視できない問題があります。たとえば、“すべてのがんの約4.4%はエックス線検査が原因”である可能性を指摘する研究論文や、CT検査を複数回受けることで“がんになる確率が最大12%増加”することを示唆した論文も存在します」(岡田氏)

 たび重なるがん治療が“新たながんを生む”というリスクやジレンマの存在を医療関係者だけでなく、患者の側も知っておく必要があるという。

 坂本さんの訃報に接し、一流の医師による懸命の治療が叶わなかった点について「どうして?」との声も聞かれるが、医療が進歩してなお、乗り越えるべき壁は存在したままだ。「がんとともに生きる」という坂本さんの言葉は“がん克服”を目指す医療界にも重い課題を突き付けている。

デイリー新潮編集部

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