四千頭身の大失速、理由は二つの「面白くなさ」? 「素人じみたしゃべり芸」とプライドの高さへのアレルギーか
後藤さんに草薙航基さん……お笑い芸人にとってもうひとつの致命的な「面白くない」印象
給与が減った理由について、後藤さんは「需要がなくなったから」と自己分析していた。それは彼らが「面白くない」からというより、「彼らが売れているのが面白くない」という反感を買いすぎたからにも見える。
後藤さんはかつて、「先輩芸人との精神的距離を感じて孤独」と番組で語っていた。一気に売れっ子になっただけに、優しく対応されても、心の中では「何だコイツら」と思われているのではという不安がぬぐえないのだという。ただ、「先輩ともっと話したいの?」と聞かれると「話してくれて大丈夫なんです」「(先輩が)ビビってるのかもしれないですね」と返す言葉のまずさが目立つ。どこか上から目線に聞こえてしまうし、これではやはりかわいげのない若手というイメージがより強まってしまうのではないか。
同じようなタイプとしては、同じ第7世代の宮下草薙の草薙航基さんがいる。超ネガティブキャラでブレークし、後藤さんとも仲良しだそうだが、目上との距離感も似ている。
松本人志さんや千原ジュニアさんからの食事の誘いは断る。なぜなら「面白い答えを言わないと、食べちゃいけないみたいな」想像をしてしまうからだという。みやぞんさんとのロケでは会話を振られても自分からは広げず、挙句「こんな合わない人、僕、初めて」と不満顔に。みやぞんさんも、「何でもダメダメ言う」と、さすがにいら立ちを見せていた。
先輩の目が気になるという割には、自分からは動かず相手を疑うばかり。草薙さんは一周回って卑屈キャラが受け、後藤さんもローテンションキャラという設定通りともいえるが、「プライドが高く傷つきたくないイマドキの若者って、目上側に気を使わせるのね」と、冷ややかに受け止める先輩世代もいることだろう。待ちの姿勢を崩さない彼らがテレビに登場し、タワマンだの高級車だのと自慢されては、「面白くない」気持ちにもなるはずだ。
「プライドを捨てろ」という言葉はパンサー・尾形さんなど、数々の芸人が言われてきたという。プライドを捨てて弱音を吐いたつもりかもしれないが、掘り下げていくとちょっと違う気がする。そうしたお茶の間とのズレも、ここへきて響き始めているのではないだろうか。
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