四千頭身の大失速、理由は二つの「面白くなさ」? 「素人じみたしゃべり芸」とプライドの高さへのアレルギーか

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 霜降り明星が同世代の芸人たちを指して名付けたといわれる「お笑い第7世代」。そうはいってもここ数年を見る限り、彼らに対して好意的な声ばかりではなかった。旧来のお笑い様式を見慣れた視聴者からすると、「面白くない」「平場のトークがつまらない」という評価を下しがちではなかったか。3時のヒロインやEXITなど、レギュラー番組を多く持つ面々でさえ、ブームの重圧や反動の怖さをひしひしと感じていたという。

 中でも集中砲火を浴びているように見えるのは、四千頭身だ。ネタ担当の後藤拓実さんによる脱力系ツッコミは、若い世代を中心に大人気となった一方、「暗い」「やる気がない」と受け取られることもあった。後藤さん自身も昨年の「アメトーーク!」で、「僕らほど第7世代っていう言葉にすがっていたトリオはいない。第7世代がなくなったらそのままいなくなる」と悩みを打ち明けていた。その不吉な予言通り、月収がタワマンの家賃を下回ったため実家に戻るという報道が話題に。「タワマンからアウディで来た」発言や、女優の恋人が発覚するなど、ザ・成り上がり的な話題を振りまいていただけに、ネットでは「ざまあみろ」と言わんばかりの反応も見受けられた。

 何をもって「面白い」とするかは人によってさまざまだが、基準を賞レースに置くならば、確かに四千頭身に目立った優勝経験はない。とはいえYouTubeの登録者数は4月頭現在で63.4万人、総再生回数は1億回超えと、彼らを支持する根強いファンがいることは確かだ。「拓実」「バシくん」などと呼び合い、仲良し男子3人組が休み時間に話しているようなゆるい掛け合いは、良くも悪くも高校の文化祭みたいな雰囲気である。だから近しい世代にとっては好ましく親しみを覚えるのだろうが、そうでない世代にとっては「素人じみたしゃべり芸」に見えるのではないか。ひな壇でもそうしたスタンスは変わらないため、積極的なツッコミや他の芸人との絡みが多くなるわけでもなく、前のめりな芸人文化を見慣れた人には物足りないというか「面白くない」という評価になってしまうのだろう。

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