「ルフィ」グループによる連続強盗捜査で警察トップが焦る理由
まずは特殊詐欺で
「ルフィ」を名乗る人物をリーダーとするグループによる連続強盗・特殊詐欺に絡んで、「指示役」とされる4人がフィリピンから相次いで強制送還されたのは、今年3月上旬のこと。捜査当局はまず特殊詐欺事件に絡む窃盗容疑で逮捕・起訴したうえで、世間を震撼させた連続強盗に手を付けているとされるが、捜査は難航しており、警察トップは焦りを隠さないという。
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過去に特殊詐欺に関与したとして窃盗容疑などで逮捕・起訴されたのは、渡邉優樹(38)、今村磨人(38)、藤田聖也(38)、そして小島智信(45)の4被告。
「警視庁は4人の取り調べを行うと同時に、フィリピン当局から提供を受けた携帯電話の解析などを通じて、特殊詐欺と強盗事件に関する指示系統の解明などを進めてきました。特に連続強盗をめぐっては今年1月に狛江市で90歳の住人が殺害され、実行犯が強盗殺人や強盗致死罪で起訴されています。ルフィが彼らに指示をしたと見て、その実態解明に注力しているところなのですが……」
と、社会部デスク。
今村被告との接点
フィリピンから送還されるまでは順調に進んでいたように見られていた捜査に今、何が起こっているのか?
「指示役と実行役との間で、“老人とか気にせず殴れるか?”“タタキ(強盗)経験は?”などと、リアルなやり取りが交わされていたなど、やり取りの一部はすでに報じられてきました。しかし、通信手段として使われたチャットアプリ『テレグラム』は、メッセージの内容を削除できるなど秘匿性が高いとされるだけに、やはり今回の捜査に関してもネックになっているようです」(同)
いったん消えてしまったメッセージを復元する技術はかなり高まっているとされるが、限界はある。
「指示役も復元の可能性を前提に指示を出しているということで、やり取りの全容解明には至っていないとのことです。4人の中で指示をした可能性があるのは今村被告と見られているのですが、現在解読できたやり取りについて、検察からは明確に“NG”が出ていると聞きました。つまり現時点では、逮捕・起訴しても公判を維持できない、有罪にできないというわけですね。当然、警察トップは焦っているということです」(同)
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