なぜ宮内庁の初代広報室長に「外事警察の女性エース」が? 京大卒業後、スパイへの情報流出を防ぐエキスパートに

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「国民とともに歩む皇室像から乖離」

 さらに、広報室長を古巣から招いた意図を尋ねられもしたが、

「なぜ警察庁かというのは特に理由はありません」

 と明言を避けて、充実した形で広報の司令塔としての務めを果たしてほしいとだけ話したのであった。

 テレビ朝日で皇室担当記者を長く務めた皇室ジャーナリストの神田秀一氏は、こう指摘する。

「組織が動き出す前で長官も慎重だったのかもしれませんが、具体性に欠ける説明では国民への情報発信に対して真摯に向き合っているとは思えない印象を受けます。これでは自分たちがやりやすくするために警察出身の後輩を呼んだようにしか見えません。名ばかりの組織で実態が分からないまま動いていけば、上皇さま方が大切に築かれてきた国民と共に歩む皇室像から、乖離(かいり)してしまうと思います」

 改めて西村長官に問うと、

「報道室を通してほしい」

 と答えるのみ。令和になって生じた国民との溝は、果たして埋まるのだろうか。

週刊新潮 2023年4月6日号掲載

ワイド特集「晴天の霹靂」より

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