【訃報】「最後のバンカー」國重惇史氏 「ダブル不倫」「離婚訴訟」「完治不能の難病」…波乱の人生の知られざる最期
4月4日、“伝説のMOF担”と呼ばれた住友銀行(現・三井住友銀行)元取締役で、その後、楽天副会長を務めた國重惇史氏(享年77)が死去した。“エリートバンカー”とは思えぬ、その破天荒な生きざまについては『週刊新潮』でもかつて詳報したが、その最期は突然、訪れたという。
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國重氏は東大経済学部を卒業後、住友銀行に入行。行内でも精鋭の集うMOF(旧大蔵省)担当を長く務め、“3000億円が消えた”とされる戦後最大の経済事件「イトマン事件」の際には、住友銀行とイトマン間の不透明なカネの流れを内部告発。「住友銀行を救った英雄」と評されたこともあった。
「“清濁併せ飲む”スタイルで辣腕を発揮した國重氏はその後、住友系の証券会社社長を務め、楽天の同社買収を機に三木谷浩史会長兼社長に請われて楽天副社長に就任しました。同社の金融ビジネスを取り仕切るなど“三木谷氏の右腕”として活躍した」(全国紙経済部記者)
楽天の副会長にまで上り詰めたが、14年に同社を辞し、教育関連のベンチャー企業の取締役会長に就任。『週刊新潮』に登場したのはその頃だった。当時、妻と2人の娘がいた國重氏だったが、人妻とダブル不倫の関係に陥り、不倫相手に対する「DV」や「妊娠・流産」の疑惑を告発する内容だった。
その際、國重氏は取材に対して「不倫っていうのは人によって定義が違うからね。僕が裸で(妻以外の)女性と抱き合っていたからって、それがどうしたのって話じゃない」と独特の倫理観を披露して記者を驚かせた。
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