京都タリウム殺人、容疑者が手に入れていた「開かずのの金庫」 その直前に叔母は植物状態に

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祖父の遺言

 一家を知る関係者がささやく。

「不動産会社には高さ1メートルほどの金庫が置いてありました。中に何が入っているかは門外不出とされるも、なにがしかの財産があったのは間違いないでしょう。おじいさんは亡くなる前に、この金庫について、“娘に万が一のことがないかぎり開けてはならない”と言い遺していました」

 つまり、叔母以外にこの金庫を開ける権利はない、ということだ。

「このような遺言を残したのは、容疑者の父である、祖父の息子を頼りにしていなかったからです」(同)

 そして、金庫の鍵は宮本家が資産管理などで絶大な信頼を置いていた第三者に預けられることになった。

 それから10年以上の時が経った3年前の夏、叔母は頭痛を訴えて病院に運ばれ、そのまま植物状態になってしまう。まさに「万が一」の事態である。

 するとその年の10月、動けない叔母に代わり、宮本家の不動産会社の代表に就いたのが宮本容疑者だった。

 その直後、彼は周囲にこう漏らしていた。

 金庫を開けたいんだ――。

 この関係者が続ける。

「叔母が植物状態になった後、彼女名義のマンションを転売するなど、活発に不動産取引を行っています。叔母の資産が目当てだったのでしょう。一希くんは社長になってから、この第三者を資産管理の業務から解任し、金庫を開ける権利を得たようでした」

「妻はいまも豪邸で暮らしている」

 叔母の身に不測の事態が起きたときのために備えていた金庫を、彼は首尾よく手に入れたのである。

 しかも、不審な点はまだある。

 宮本容疑者の父は、叔母が植物状態になる直前に市内のマンションで孤独死している。原因は心疾患だった。

「お父さんは実家の豪邸を出て、ひとりで市内のマンションに暮らしていました。お父さんとその妻は夫婦仲が悪く、妻はお父さんとその母から散々きついことを言われ、いびられていたんです。近所からは“あれでよく宮本家を出ていかないな”と言われていたほどでした。それがなぜ妻ではなく、お父さんが実家を出ることになり、突如亡くなったのか……。妻はいまも豪邸で暮らしているようです」(宮本容疑者の知人)

 次々明らかになる新事実。

 当の宮本容疑者はまるで「開かずの金庫」になったかのように口を閉ざし、完全黙秘を続けているという。

週刊新潮 2023年4月6日号掲載

ワイド特集「晴天の霹靂」より

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