京都タリウム殺人、容疑者が手に入れていた「開かずのの金庫」 その直前に叔母は植物状態に
“カローラでも乗ってろ”
親族の中で祖父が最も信頼を寄せていたのが叔母だ。
近隣住民が言う。
「祖父は資産管理などで叔母を頼っていたようです。というのも、叔母の兄である宮本容疑者のお父さんはヤクザとの付き合いを周囲に平気で吹聴するなど、物言いが自分本位で思い込みの激しい方だった。そのくせ、祖父に寄ってくる人に誘われ、事業を始めて大失敗していたんです」
祖父からこの父が激怒されたこともあった。
「お父さんの事業がうまくいかなかったとき、祖父から“お前は格好ばっかりつけやがって、カローラでも乗ってろ!”と怒鳴られていました。お父さんはスキーが趣味で、SUVに乗っていたのですが、“はい”と素直に従っていました。事業に失敗した後は外に勤めに出たと聞いています」(同)
冷遇された容疑者の父
父は2001年に自身が所有する不動産が京都府の税務署に差し押さえられ、苦境に。さらに08年、ケーブルテレビ工事や不動産業などを手掛ける会社の代表に就任するも、10年には破産手続きにまで至った。
祖父の築いた不動産業を継いだ叔母に比べ、父が祖父から評価されず、冷遇されていることは明らかだった。
この関係性は叔母が植物状態に至る上での重要な背景となる。
祖父が興した不動産会社は00年に解散。同時に同じ所在地で祖父の妻を代表とする別の不動産会社が設立される。すると、祖父が所有する不動産の一部は叔母に売買され、祖父が亡くなった後の08年、叔母はこの不動産会社を社長として継ぐことになる。
「白のベンツを運転して会社に来ていました。茶道が趣味で、毎週金曜に着物で来ては会社の1階で茶会を開いていた」(不動産関係者)
実はこの叔母に対し祖父が遺言を託していた。不動産会社に置いてあった巨大金庫にまつわることだ。
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