「立憲民主党」選対委員長が、「自民党」公認候補に“必勝”の為書きを送っていた 本人に理由を訊ねると返ってきた「意外な答え」
他党の候補者に「祈必勝」
ついにスタートした統一地方選挙。全国の地方自治体で、各党による熾烈な戦いが繰り広げられている。その選挙戦の元締めであり、司令塔としての役割を果たしているのが、各党の選挙対策委員長だ。そんな、“党の軍師”たる選対委員長が、戦の最中、敵に塩を送ったとして話題になっているという。
【写真】立憲民主党の選対委員長が自民党公認候補者に送った「祈必勝」の為書き
政治部記者の話。
「問題となっているのは立憲民主党の大串博志氏です。佐賀県出身で、東大法学部を卒業後、旧大蔵省に入省。2005年に退官し、その年に行われた衆議院解散総選挙に、佐賀2区から、民主党公認候補として出馬。小選挙区では敗れるも、比例復活で初当選。以来、小選挙区での勝ちも含め、当選6回。2022年8月に、立憲民主党の選挙対策委員長に就任しました」
と、いうことは、軍師・大串氏にとって今回の統一地方選挙が、初めての“大戦”となるわけだが、
「あろうことか、その大串氏が、自身の地元である佐賀県の県会議員選挙において、自民党が公認している複数の候補者に、為書(ためが)きを送っていたことがわかったのです」
為書きとは無論、立候補者を応援するために関係者が送るポスター。一般的に、毛筆で“祈必勝”と書かれ、その脇に、立候補者の名前、送り主の名前が添えられる。選挙事務所の壁にたくさん貼られているのを、ご覧になったことのある向きも多かろう。
反党行為ではない
「為書きは候補者の“勝利”を祈るものですから、当然ながら、他党の公認候補に、ライバル党の、しかも、選挙を司る選対委員長が送るということは、常識的に考えてあり得ません。反党行為と言われても仕方がない。それで話題になっているのです」
この何とも奇妙な事態を、自民党佐賀県選挙区選出の参議院議員・山下雄平氏が、自身のツイッターで写真付きで紹介した。
<佐賀県議選で #立憲民主党 の選対委員長から何人もの自民党『公認』候補に必勝の為書きをいただきました>(後略、山下雄平氏のツイッターより)
山下氏に訊ねると、
「私が確認しただけでも、少なくとも6人の自民党公認候補者に大串氏からの為書きが送られていたことがわかり、驚きました。他党の公認候補に為書きを送ることはまずあり得ませんからね。為書きが届いた候補者の中には、困惑して、貼らずに処分された方も少なくありません」
果たしてなぜ、立憲民主党の“軍師”が、反党行為とも取られかねない行為に及んだのか――。大串氏に訊ねると、
「為書きについては、これまで支援者の方々から要請のあったところで、かつ、立憲民主党の公認、推薦、支持等の候補者のいないところに限ってお出ししています。したがって、反党行為には当たりません」
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