中国当局が拘束「アステラス製薬」幹部をめぐって日系企業の反応とは?

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国家安全局の冷血

 男性を拘束した国家安全局は、中国国内の行政組織から完全に独立しているのだという。

「なにしろ中国共産党の幹部も監視対象にしていると言われおり、中国外務省も男性がどこでどんな風に拘束されているのか察知できていない可能性が指摘されています。この国家安全局は、邦人を拘束することによって生じる国家間の摩擦について配慮することはない存在だと噂されていると聞いています」(同)

 差し当って、今回の拘束による中国の狙いについて詮索する動きがあるが、この組織の性格から見て、そういった動きはあまり意味のないことなのかもしれない。

「仮に解放されたとしてもこれまで同様、容疑事実が公表されることはないでしょう。加えて反スパイ法の改正が進むことで、今回のようなケースが増えることはあっても減ることはないだろうとの見方も強い」

 4日午後、日本領事と男性が面会したとの報道があったが、現地の日系企業のあいだでは、「明日は我が身」との悲鳴にも似た声が漏れ伝わっているという。

デイリー新潮編集部

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