中国当局が拘束「アステラス製薬」幹部をめぐって日系企業の反応とは?
反スパイ法で59歳の男性が
3月中旬、中国・北京でアステラス製薬の現地法人幹部の日本人男性が突然、拘束された。この事件について、中国に進出している日本企業はどのように受け止めているのか。
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拘束された59歳の男性はアステラス製薬で現地法人トップを務め、現在は特別顧問として勤務しているという。
「20年以上の駐在経験があり、中国当局との窓口役を担っていましたが、定年が近づいたので日本に帰国することになっていました。まさにその帰国当日に北京市内で国家安全局によって拘束されたようです」
と、外信担当デスク。男性と連絡が取れなくなったことでアステラス側が北京の日本大使館に相談し、日本側の問い合わせでコトが露見した。
中国外務省の報道官は会見で、「国内の刑法や反スパイ法などに違反した疑いがある」と拘束理由を説明しているが、より詳しい容疑事実は判然としない。
反スパイ法は2014年に施行され、それを基に中国で活動する外国人の取り締まりが強化されてきた経緯がある。
贈収賄の疑い?
さらに反スパイ法は2022年末に改正案が公表され、適用の範囲や定義が拡大しているという。
「男性は現地に進出した日系企業からなる『中国日本商会』の理事を務めるなど、幅広い人脈を持っていたようです。新たに現地に進出する会社はもちろん、さまざまな面で相談を受けていましたし、中国当局にあいさつする際には男性を頼ることが多かったとのことです」(同)
そういった点から、中国との蜜月を指摘する声も中にはあり、
「男性は当局側から、贈収賄の疑いをもたれているのではないかという話も出回っていますが……」(同)
反スパイ法の施行後、中国国内で拘束されたり、裁判で懲役刑などが科せられたりした法人は16人。
「とにかく怖いのは、容疑事実が一切明らかになっていないことのようです。それだけに危ない橋は渡らないというのが鉄則だということなのですが……。男性はベテラン中のベテランで、何が反スパイ法に抵触するかよく知っていただけに、これまで以上に不穏な空気が流れています」(同)
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