岸田首相も通う超名門料亭「金田中」料理長がブラック体質を告発 暴言、過酷な労働環境に一方的な「クビ宣告」
「『知りませんでした』では済まされない」
山田氏の話に戻ろう。3月8日、決定的な“事件”が生じたのだと言う。
「社長から新橋の本店に呼び出され、一方的な言いがかりをつけられました。『ランチのオニオングラタンスープに入れるバゲットがカリカリの状態ではなかった』『ハンバーグを生から調理せず、出来上がっているものを焼き直して提供した』などと、すべて事実無根。そもそも、私の担当した調理ではなかったのです」
ところが、それらを並べ立てて社長は、
「『お前の給料のうち20万円は役職給だが、決められたことをしていないので支払えない。ただし生活があるだろうから3カ月は待つ。いつ終わりにするか返事をくれ』と、事実上のクビを宣告してきたのです」(同)
山田氏は堪忍袋の緒が切れ、数日後、社長に辞意を伝えたのだった。
名だたる老舗に、およそふさわしからぬトラブル。当の岡副社長に質すと、
「(従業員を)怒鳴るのは、その時の良い悪いがあるわけですから。『これは違うよね』という話に関しては、それはあります。(労基法の)細かいことは分かりませんが、(中略)勤務について法規に反しているという認識は一切ありません。有給を取るよう指示もしているつもりで、(山田氏が)有給を取っていないことも把握していませんでした」
などと答えた。日本労働弁護団幹事長の佐々木亮弁護士はこう指摘する。
「労基法の順守や従業員の健康管理などは使用者の責任ですから『知りませんでした』では済まされません」
4月6日発売の「週刊新潮」では、社長による数々の“暴言”の内容などと併せて、名門中の名門「金田中」の異常な労働環境について詳報する。