「俺の子を産んでほしい」 志村けんさんの知られざる胸中を“特別な関係を結んだ女性”が証言

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家に着いた連絡をすると「よかった」と返事が

 酒席でのお気に入りは芋焼酎。

「ウイスキーを飲む日もありましたけど、『森伊蔵』をよく飲まれていたのを覚えています。一晩で焼酎ボトルを1本空けることも多くて、疲れがたまっていたりすると“控えようかな”というのですが、普通の人から見ると、お酒の量は異常でした。普通、γ-GTPの数値は100以上になるとまずいと聞きますけど、志村さんは440だったそうです。ただ、朝まで飲み歩くことはありません。自宅で飼っているワンちゃんのことが心配だったからです」

 愛犬家としても知られた志村さん。亡くなった時には豆柴とゴールデンレトリバーの2匹を飼っていた。誰と飲んでいても、終電の時間くらいまでには帰ると話し、遅くなっても夜中の2時か3時には帰宅していた。

 さらに、女性に対しては帰宅後の気遣いもあった。

「女性には“家に無事に着いたら連絡しなさい”と伝えていました。女性が着いた旨をLINEすると“よかった”と返信してくれる。普通の男性でもやらないですし、芸能人ならなおのことです。女性はみな感激していましたよ」

“謙虚に生きなさい”

 結衣さんを介し、数多の女性と接してきた。しかし、そんな日々も長くは続かなかった。2020年、コロナ禍が日本列島を覆い始めていたのだ。

「生前最後に志村さんとお会いしたのは、その年の2月下旬でした。2月20日が志村さんの誕生日なんです。2月の1、2週目は関係者による誕生会で立て込んでいるとのことで、それが終わってから女の子とのお食事会を組ませていただきました。私以外に2人の女の子を連れて、麻布十番のよく行く和食屋に。その頃、世間を騒がすスキャンダルが続いていて、志村さんが“気になるよね”と言いながらもゲラゲラ笑って食事を楽しみました。まさか、それから1カ月後に命を奪われてしまうなんて……」

 結衣さんが今でも忘れられない言葉がある。まだ交際中だったある日、駅まで車で送ってもらった時のことだ。

「“どんなにお金を持っていても普通の感覚を忘れちゃいけないよ”“謙虚に生きなさい”とおっしゃっていました。志村さん自身がとても謙虚な方なんですよね。あれだけ芸能界でキャリアを積まれてきた方です。娘以上に年が離れた女性に対し自慢話のひとつもしたくなるものですが、私は志村さんと3年ほど接していた中で、一度もそうした話をされたことがないんです」

 酒とコントと女性を愛し、まばゆい芸能界を歩んできた不世出のコメディアン。彼が彼女だけに見せていたのは、寂しさすら漂わせながら、女性に安らぎを求めたもう一人の「志村けん」の姿であった。

週刊新潮 2023年4月6日号掲載

特集「死から3年 『俺の子を産んでほしい』特別な関係を結んだ女性が明かすもう一人の『志村けん』」より

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