早稲田大「サークル新歓活動」再開も…「コロナ禍でコンパ文化はなくなりました」周辺の雀荘も消滅

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血液循環してしまった

 同じサークルの北原冬馬さん(文学部・3年)も「これが本当のワセダの姿なんだと思うと感慨深いです」と語る。

「受験生の時、YouTubeなどでキャンパスの新歓風景を見て、いいなぁと憧れて大学に入ったんですが、コロナ禍のせいでまったく大学生らしい暮らしが出来なかったもので」

 さぞかし、今宵はいい酒が楽しめるだろう。そう思って、「新歓コンパにはどのくらいの人数が集まりそう?」と聞いた。だが、二人からの反応は鈍い。そして、こう答えるのだった。

「新歓コンパは予定していません。というか、この3年間そういう飲み会は禁止されていたので、そんな雰囲気もないのです。当局によると、今年からは解禁されているようなんですが、18歳、19歳は法律で飲酒もできませんしね」(北原さん)

 このサークルだけではない。同じく大学公認サークルの「ポケモンだいすきクラブ早稲田支部」の田中真雪さん(教育学部・4年)も、「ウチも新歓コンパはないです」と答える。

「というか、コロナ禍でそういう文化はなくなってしまったんだと思います。私は4年生ですが一回もそういう経験もないので、下の学年に継承できていない。コンパ文化が血液なら循環して、なしの文化に入れ替わっちゃったんでしょう」

大学周辺にあった雀荘も壊滅

 他にも異変は起きていた。ほとんどの学生が「麻雀? しないですね」と答えるのだ。これもコロナ禍の影響なのだろう。実際、大学周辺から高田馬場駅にかけて探索してみたが、数年前まで営業していた雀荘が軒並み潰れていた。

 本当に新歓コンパは消滅してしまったのか――。午後6時過ぎ。高田馬場駅前の広場に行ってみると、十数人集まっているグループが2、3あった。だが、これも昔に比べると寂しいものだ。この時期の高田馬場駅前といえば、我が世の春を謳歌した学生たちがサークルの旗を持ってぎゅうぎゅうに押し合い、夜になれば、そこら中で嘔吐していた。

 あるグループに声をかけてみると野球サークルだった。

「確かにいま新歓コンパをやっているのは、私たちのような運動系くらいなのかもしれませんね。ただ、私たちもコール飲みとかはしませんよ。特に今日は新入生が来ているので、様子見です」

 テニスサークルにも声をかけてみたが、

「お酒は飲みません。食事だけです」

 コロナ禍は明けたが、新歓コンパ文化はこのまま廃れゆくのか。

デイリー新潮編集部

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