「30年ぶりに症状がなくなった」 花粉症対策「最終兵器」の商品名は? 研究論文が効果を証明
半信半疑で試した点鼻薬が…
しかし、今年の花粉飛散量は例年の10倍以上ともいわれ、多くの花粉症患者が“過酷な戦い”を強いられている。無論、この会社員も例外ではない。
「まだ花粉の飛散量がピークに至っていない頃から、薬を飲んでもくしゃみや鼻水、鼻づまりの症状が治まらず、“ピーク時にはどうなるのか”と絶望していました。夜中も必ずくしゃみや鼻水で起きてしまうので、寝不足になりますし……」
そんな折、「ステロイド点鼻薬」が効くと知り合いから聞き、半信半疑でドラッグストアに走った。
「知り合いからは、市販されている点鼻薬には血管収縮薬が入っているものと入っていないものがあり、入っていないステロイド点鼻薬がいい、と教えられていました。何でも、血管収縮薬の入っている点鼻薬は使うと速やかに鼻づまりが改善するものの、使い続けるとかえって粘膜が腫れて鼻づまり症状を起こす恐れがあるというのです」
確かに、600円前後の安い点鼻薬には、血管収縮薬のナファゾリン塩酸塩などが入っているものが多い。一方、血管収縮薬が入っていないステロイド点鼻薬には、「ナザールαAR0.1%」「エージーアレルカットEXc」といった商品があり、いずれも有効成分は「ベクロメタゾンプロピオン酸エステル」。メーカー希望小売価格は安い点鼻薬の約3倍近い、1800円~2千円ほどである。
「症状がほぼ出ない」
「何となく商品名に聞き覚えがあった「ナザールα」を購入して使い始めてみたのですが……」
と語るこの会社員は目下、久方ぶりに花粉症の症状がほとんど出ない春を謳歌している。
「朝夕1日2回使うだけでくしゃみも鼻水も鼻づまりも全くなくなり、夜中に途中で起きなくて済むので睡眠不足も解消。今までの“過酷な戦い”はいったい何だったのか、というくらいあっけなく改善してしまったのです。目のかゆみはまだありますが、以前よりはましになっているような気がします。飲み薬のアレロックも1日1錠まで減らしました」(同)
都内在住の50代の会社役員は花粉症の季節だけではなく、1年を通じてアレルギー性鼻炎の症状に悩まされてきた。そのため、飲み薬だけではなく、点鼻薬も常用してきたが、それは血管収縮薬入りの安いものだった。
「これまで使ってきた点鼻薬は使うと一旦は鼻が通るものの、しばらくするとまた症状が出てくる。そのため、ひどい時は1時間に6回も7回も鼻にシュッシュッとやって、周りの人から“そんなに連続で使ったら体に悪い”と心配されることもありました」
会社役員はそう語る。
「そこでこの春は、値段が3倍もする『ナザールα』に変えてみたのです。すると今のところ、鼻水が出なくなり、鼻づまりもかなり軽減されました。夜寝る時の息苦しさも改善し、しっかり眠れるようになった。30年以上前に花粉症になって以来、初めて症状がほぼ出ないという状態になっています」
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