【論点整理】放送法の解釈論争で立憲民主党の苦しい言い分 「高市早苗」捏造文書論争の論点3つを冷静に検討
小西議員の文書入手経路は
(3)小西議員が文書を入手するプロセスに問題はないのか、については国会では議論されていない。どちらかというと、高市氏を応援する立場の人たちがネット上などで提起している論点である。
小西議員によれば、彼のもとには他にも総務省の内部文書があるのだという。彼の活動に共感した内部の人が渡してくれるのだろうか。
しかし情報公開請求などの正規プロセスを経たものでないとすると、法的に問題がある、といった指摘がなされている。
もちろん小西議員からすれば、政権の過ちを改めさせるための武器として文書を活用したいということなのだろう。
しかし、たとえ国会議員であっても、その手の「極秘文書」「内部文書」をそのように入手できていいのだろうか、という疑問を抱く人は少なからずいるのはたしかだ。そんなことが可能ならば、ガーシー議員のような人が国民の秘密を入手する可能性だってあることになるが、それでいいのだろうか……。
この(3)については、まだあまり公の議論がなされていないのだが、小西議員は自身の入手には公益性があるので法的な問題はないという立場を強く主張している。
立憲民主党の戦略は妥当か
ここまで三つの論点について見てきたわけだが、物価高や少子化、安全保障、エネルギー問題といったテーマと比べると、やはり「いまそれ?」感を抱く人がいるであろうことは否定できない。
小西議員や杉尾議員は、表現の自由のために戦っているという気持ちがあるのかもしれないが、そもそも多くの国民にとってテレビはもはやメインの情報源ではない。
立憲民主党の現在の国会での戦略は果たして一般の支持を得ているのか。これは野党の戦略として正しいのか。一部では「55年体制に逆戻りしている」といった揶揄もあるのだが、政治部デスクはこう語る。
「各社の世論調査で低迷していた岸田内閣の支持率は上昇し、不支持率を上回るところまで出てきました。3月半ば以降、韓国やドイツ、インド、そしてウクライナ首脳との会談を行い、新年度予算が成立したことが評価された格好です。ちょうど小西氏が高市氏への追及を進めた時期に重なっており、官邸の一部では、”結果的に小西氏のおかげで内閣支持率が上昇した”と皮肉まじりに語られています。元々、今回の文書がどう転んでも政権に類が及ぶことはないだろうと見られていましたし、その通りに推移していると感じています」
小西氏は憲法調査会に関する「サル発言」をめぐって、一応は陳謝した格好だ。発信源がぐらついていては、疑惑追及は事実上、沙汰止みとなっても仕方ないだろう。
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