NHK「犬神家の一族」の撮影現場で、大竹しのぶに共演者がビビりまくっている

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セリフ覚えの難しさ

 大竹が類い稀な才能の持ち主であるのは事実だが、ひたむきな努力で名女優と評価されるようになったのも間違いない。中でも「豊富な舞台経験が大竹の芸を磨いた」と見る専門家は多い。

 そもそも舞台の場合、セリフを覚えるだけでも一苦労だ。名優と称賛されるほんの一握りの人々も例外ではない。過去の新聞報道から、名優がどうやってセリフを覚えているのか、その一端を紹介しよう。(※出典は記事末尾の註を参照)

◆森光子(1920~2012)
《よく森はセリフ覚えが抜群にいいっていわれますが、家で七転八倒しながら覚えてるんです。それでも今は舞台は命。何年続けられるかわかりませんが、体の動く限り……》

◆仲代達矢(90)
《稽古は7月に始まったものの、上演時間1時間半の膨大なせりふはなかなか入らなかった。自宅の壁にせりふを書いた紙を張り巡らし、深夜に目覚めると懐中電灯で照らして覚えたという。「長年温めた作品で、年齢的に今が限界と、崖っぷちから落ちる気持ちでやった」》

◆大地真央(67)
《「私はどの作品でも試行錯誤し、そのうちにまとまってくるタイプです。ですからセリフ覚えは遅いんです」と大地》

◆小日向文世(69)
《とにかく繰り返し、繰り返し、お風呂の中でも台本を読んで、早起きしてセリフを覚えて、台本と向き合う時間を長くしないとセリフが入らないんです。セリフを覚えて初めて役者は、仕事が始まりますからね》

歩き巫女の衝撃

 大竹が昨年放送のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に出演した際、テレビ業界内でも「プロ意識に感動した」との声が目立ったという。

「“歩き巫女”という役をシークレット出演して話題を呼びました。最初、『これは誰が演じているんだ?』と視聴者が煙に巻かれたほどでした。おまけに老女という役を嫌がる女優さんも珍しくない中、大竹さんは完璧な演技を披露したわけです。そんな彼女のライバルとなると、夏木マリさん(70)、高畑淳子さん(68)、高泉淳子さん(64)、原田美枝子さん(64)といった顔ぶれになるでしょうか」(同・関係者)

 大竹を“演劇界トップの女優”と見なす関係者は多いそうだ。ただ、テレビとなると少し違うという。

「舞台女優としては、栗山民也さん(70)や白井晃さん(65)といった大物演出家が全幅の信頼を寄せています。1ステージで25万円から30万円のギャラを取るので、文字通りのトップクラスでしょう。一方、テレビドラマでも1話150万円から200万円はいってしまいます。そのため、ちょっと低予算のドラマだと出演依頼が難しくなってしまうのです。ギャラが高すぎることからテレビの仕事が増えず、“テレビドラマのトップ女優”というイメージが生まれないのです」(同・関係者)

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