相次ぐ「大物テレビマン」の退職… キー局の高待遇を捨てた“独立”で得られるものとは
「家、ついて行ってイイですか?」「ジョージ・ポットマンの平成史」などの企画・演出で知られる高橋弘樹プロデューサーが、2023年2月末でテレビ東京を退社した。高橋氏はYouTube番組「日経テレ東大学」の企画・制作統括も務めていたが、この番組も3月に終了することが発表されていた。「日経テレ東大学」はチャンネル登録者数100万人を超える人気を博しているため、その終了を惜しむ声も聞かれる。
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高橋氏は3月に株式会社tonariを設立して、新たにビジネス系YouTubeチャンネル「ReHacQ(リハック)」を開設した。ここで引き続き「日経テレ東大学」のテイストを受け継いだコンテンツを配信していくようだ。
高橋氏に限らず、ここ数年で人気番組を手がける有名テレビマンが、テレビ局を退社して独立するケースが相次いでいる。
2021年3月には「ゴッドタン」などを手がける佐久間宣行氏がテレビ東京を退社した。2022年12月には「あざとくて何が悪いの?」「あいつ今何してる?」などを手がける芦田太郎氏がテレビ朝日を退社して、Amazon Studiosに転職した。同じく2022年12月には「有吉の壁」「有吉ゼミ」などを手がける橋本和明氏が日本テレビを退社した。
高待遇を捨てて独立、なぜ
東京のテレビ局と言えば、学生の就職先としては一昔前ほどの人気はないものの、いまだに「腐っても鯛」の高収入を保っている大企業である。多くの視聴者に愛される人気番組を制作してきたテレビマンであれば、会社側の期待も大きいだろうし、それなりの待遇も約束されていたはずだ。なぜそんな職場を捨てて、独立の道を選ぶ人が相次いでいるのだろうか。
もちろん個々人によって事情は異なるが、テレビ制作に携わってきたテレビ局員が独立をする理由として一般的に言われてきたのは、現場にずっと残っていたいから、ということだ。
ディレクターとして番組を作ってきた人は、その仕事に愛着があり、長く続けていきたいと考えていることが多い。しかし、テレビ局という組織の中でキャリアを重ねると、管理職に就くことを求められたり、部署を異動することになったりする。その結果、現場に携わることができなくなってしまう。
現場にずっと残りたいのであれば、フリーのプロデューサーやディレクターとして外部から番組作りにかかわっていくしかない。そう考えて独立の道を選択するテレビマンはこれまでにも存在していた。
しかし、最近の相次ぐ大物テレビマンの独立の動きを見ていると、単にこれだけが独立の理由ではないような気がする。第一に考えられるのは、ここ数年で地上波テレビ以外の映像コンテンツの可能性が大きく広がったことだ。
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