「推し活」「沼落ち」に「デジタルドラッグ」… 脳内麻薬依存症からの脱出法とは? 世界的権威二人が警告

国内 社会

  • ブックマーク

世界中で増加する依存症患者

レンブケ わたし自身、エロティックな恋愛小説への依存から抜け出せたのは、自分の状態が異常だと気付けたからでした。薬物などの深刻な依存症とは較べ物にならないですが、それでも離脱には本当に苦労しました。

ハンセン 依存症は世界的にも増加傾向にありますね。

レンブケ 何らかの依存症で亡くなる人は1990年から2017年までで、世界中の全ての年齢集団で増加しています。しかも50歳以下の若い人たちが半分以上です。重要なのはやはり知ること。あとは自分に対しても、他人に対しても正直であること。そういうマインドセットを持てていれば、他者とのつながりを保て、孤立しない。まずはそこが大事なのではないかとわたしは思っています。

アンデシュ・ハンセン
精神科医。1974年生まれ。スウェーデン・ストックホルム出身。スットックホルム商科大学でMBAを取得し、名門カロリンスカ医科大学で医学を学ぶ。『スマホ脳』『一流の頭脳』が世界的ベストセラーに。

アンナ・レンブケ
精神科医・医学博士。1967年、米アリゾナ州で生まれ、イエール大学卒業後、スタンフォード大学で医学を修める。依存症医学の第一人者であり、現在スタンフォード大学医学部教授。

週刊新潮 2023年3月30日号掲載

緊急対談「『ドーパミン中毒』アンナ・レンブケ✕『スマホ脳』アンデシュ・ハンセンうつ 自殺急増で“最悪のメンタル” 『脳内麻薬』依存症からの脱出法」より

前へ 1 2 3 4 5 次へ

[5/5ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。