大谷翔平「年収85億円」の原点は最低年俸6000万円 「負けたくねえ」村上宗隆が対抗できるたった一つの方法とは?
イチローの真っ向勝負への渇望感
しかし、前出の元パ球団監督はイチロー(元マリナーズなど)のオリックス時代をよく知るだけに、村上のここからの日本での3年間に懸念が消えないという。
「(日本時代晩年の)イチローは攻略が難しい打者になっていたので露骨な死球攻めなどを受け、自分にまともに勝負してこない相手バッテリーに辟易していた。真っ向勝負への渇望感がメジャー挑戦の大きな動機の一つだった。メジャーより球団が少ない日本では同じバッテリーとの対戦を繰り返す。村上は昨季終盤に四球攻めに遭っていたが、今季はさらに勝負を避けられる場面が多くなるに違いない。数少ない失投を仕留める技術を上げることは大事だが、力がある投手を正面から打ち崩し、技術を磨く機会は日本に残ると少なくなる。過去、日本人の長距離打者の完全な成功例は大谷しかない。WBCでは大谷に『負けたくねえ』と対抗心が出てきたようだが、そのためにも吸収力がある今のうちにメジャーに行った方がいい」
25歳になるのを待ってからでは機会損失が大きいというわけだ。
仮に来季からMLBに移籍すると、24歳で開幕を迎える。大谷同様、最低保障年俸からのスタートだが、それ以上に最高峰の野球でもまれる経験はプライスレスだ。
「最短で渡米しても大谷よりは遅い時期。3年間は最低保障程度だが、4~6年目は年俸調停の権利を得て大幅アップを狙える。4年目開幕時は27歳で、ピークが近づく時期。選手人生をトータルで考えれば、ヤクルトとの契約途中での渡米はありだと思う」(同前)
大谷の“塞翁が馬”のサクセスストーリーの再現は一筋縄ではいかないのは重々承知の上で、その可能性に懸ける村上の野球人生も見てみたいのだが……。