「日本語にそっくりでいて、どこか違う」 韓国語文法研究者・黒島規史の心をつかんで離さない魅力

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二つの道で揺れに揺れた結果…

 日本語にそっくりでいて、どこか違う。そんな韓国語の魅力にとりつかれて研究の道に進み、ついには韓国語の研究者にまでなってしまった。実を言うと大学3年生の頃までは、海外で日本語を教えるために日本語教育の分野で大学院に進学しようと考えていたのだが、二つの道の間で揺れに揺れたあげく、韓国語研究の手をつかんで今の私がある。

 チェコ語を専門とし、日本の言語学界に多大な功績を残した千野栄一先生の著に『言語学 私のラブストーリー』がある。この本のタイトルには、筆者の専門であった、くめども尽きぬ泉のようなチェコ語の世界を離れて、未知の言語を調査することができなかった、著者の満たされぬ思いが込められているという。このエッセーは、私の進路を決定づけ、出会いから現在に至るまで知的好奇心をつかんで離さない韓国語への思いが込められた、私のラブストーリーである。

黒島規史(くろしま・のりふみ)
熊本学園大学講師。専門は記述言語学で、特に韓国語文法。語学の勉強がライフワーク。

デイリー新潮編集部

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