国民・前原誠司氏と立民・福山哲郎氏が「うわべだけの和解」 陰で福山氏は前原氏を「器の小さな男」
労組の仲介で“手打ち”
先に動いたのは前原氏だった。
「昨年11月、国民民主党京都府連の定期大会で、『国政と地方選は事情が違う。統一選挙では立民に候補者調整を持ちかけたい』と語り、福山さんに秋波を送った。それを聞いた福山さんは、地元紙のインタビューに『協力や調整は否定しないけれど、これまでの態度を説明する必要がある』などと発言。福山さんは、ついこの間まで躍起になって自分を落選させようとしていたくせに、『国政と地方選は事情が違う』なんて都合のいい一言で片付けるなと、前原さんを牽制したのです」(同)
だが、福山氏にしても背に腹はかえられぬ状況だった。もともと京都は共産党が強く、隣県からは維新旋風が押し寄せている。意地を張ったところで国民と協力しなければ、一層の苦戦を強いられることは間違いないからだ。
結局、2月中旬、労働組合の仲介で食事会が催され、“手打ち”になった。だが、前原氏のお膝元である左京区だけは市議選の候補者調整が困難で、いまもバチバチにやりあっているという。
「定数8に14人が立候補する大混戦のなか、立民からは元府議で新人の島内研氏、国民からは元職の隠塚功氏が出馬しています。前原氏は隠塚氏に自分の選挙事務所を使わせているほどの入れ込みようで、かつて自分の秘書を務めていた島内氏を潰しにかかっています」(立民関係者)
筋を通しているようには見えない
そんな前原氏のことを福山氏は「器が小さいし、筋が通っていない」と周囲に語っているという。
「表では旧民主党同士で頑張ろうと握手をしながら、ウラではちゃっかり維新と選挙協力していますしね。今回も国民の現職がいる選挙区では、維新の候補者は立っていません。福山さんからすると、前原さんは御都合主義で動いているようにしか見えないんです」(同)
一方の国民関係者は「前々回の参院選で、京都に限らず全国で現職がいるところに対抗馬を立ててきたのは福山氏だ」と反論する。
板挟みになっている旧民主党系の支持者や地方議員は、両雄の確執をうんざりした思いで見ているという。
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