高市大臣の放送法文書騒動、「辞めさせた方がいい」と進言した大物議員の名前 更迭の可能性は?
松野長官に聞くと…
官邸関係者が言う。
「官邸の高官が高市さんに対し、発言への謝罪と撤回を要求し、高市さんが拒絶したというのです。その後、高市さんを更迭するのでは、という情報まで出回りました。永田町界隈ではこの高官は、官邸のトラブル処理も担う松野博一官房長官のことでは、といわれています」
松野長官に聞いた。
――高市氏に謝罪した方がいいと進言した?
「いや、そういった話はまったくございません」
――きちんと説明しなさいと伝えたのか。
「高市大臣は委員会で説明をされていますので。引き続き真摯に答弁をいただければと思います」
――辞めるのでは、との話も出回った。
「ハハハ……、そういうことはないですよ」
先のデスクが言う。
「松野さんはこの一連の騒動について、オフレコで問うても“総務省の話だ”と一貫しています。別のテーマならいろいろと解説してくれるのに、この問題について踏み込んで説明していないのは、下手に発言してやけどを負いたくないからでしょう」
地元でもトラブルが
官邸全体の雰囲気も放送法文書問題には冷ややかだ、と指摘するのは政治ジャーナリストの青山和弘氏。
「岸田文雄総理の最側近である木原誠二官房副長官は、この問題について周囲に“興味ない”と語り、秘書官も“私たちとは関係ない問題”と話しています。岸田内閣の支持率はこの間、回復してきており、岸田総理としても“総務省内の問題”ということでやり過ごしたいようです」
一方で高市氏が抱える難題は他にも。地元の奈良県知事選(4月9日投開票)だ。
昨年12月に立候補を表明した平木省氏は、高市氏が総務相だった時代に秘書官を務めた人物。しかし、過去に自民党が支援してきた現職の荒井正吾知事も年明けに出馬を表明。保守分裂選挙になったことに加え、日本維新の会の候補もおり、熾烈(しれつ)な選挙戦になるのは必至だ。
自民党関係者が言う。
「どちらの候補も党本部からの公認を得ることができず、県連会長である高市さんの根回し不足が露呈しました。3月上旬の自民党の調査では維新候補がトップで、平木氏との差は約5ポイント。その2週間ほど前の数字に比べると平木氏は追い上げていますが……。自民党選対委員長の森山裕さんも“彼女が責任を取ればいい”と突き放しています」
地元県議もこう苦言を呈す。
「2月末に高市さんは荒井さんに電話をかけて面会を申し込んだそうです。出馬をやめてもらおうと思ったのでしょう。しかし、荒井さんに取り合ってもらえず、今に至っています」
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