水卜アナと中村倫也の共通点は「めんどくささ」? 彼女の誠実さと「戦う姿勢」を表すエピソード

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人気女子アナに必須の大御所転がしスキルと三つの口癖 ミトちゃんの株を上げた「めんどくさい」エピソード

 人気の出る女子アナは、大御所有名人からの寵愛が欠かせない。よく好きな女子アナランキングに上がる面々は、バラエティーで男性MCとのタッグで名を上げることが多い。つまり、いわゆる「おじさん転がし」がうまい女子アナは人気が出る傾向がある。その場で最も権力を持った人間を見極め、その意をくんで動く才能だ。それはお茶の間からは「あざとい」と眉をひそめられることもあるが、限られた時間で決められた情報量を伝えなくてはいけない現場では重宝される才能でもある。

 しかし水卜アナはどうだろうか。たくさんの大御所と共演歴がある割に、彼女といえばこの人!という特定のMCが思い浮かばないのではないだろうか。

 水卜アナは以前、後輩女子アナが読んでいたニュースに注文をつけたことがあった。あるテーマパークの予約情報を聞かれたとき、「予約は始まっていないと思います」と後輩があいまいに答えた。現場にとってはありがたい判断だっただろう。ここで調べ始めれば時間がかかるし、調べてないと正直に答えればMCの不興を買う。あとでADもどやされる。現場の意をくんで、丸く収める対応を迷わず取った女子アナは、確かに他のバラエティーでもおじさん転がしがうまい印象だ。

 けれども水卜アナは、「私のところには情報は入ってきていない」と前置きし、「思います、で大丈夫かな?」と念を押した。とっさに別のアナウンサーが、「HPをチェックしてください」と締めたが、水卜アナの対応は取りようによっては準備不足の制作者と後輩の顔に泥を塗ることにもなる。黙ってればいいのによ、と思われたっておかしくない。

 でもその「めんどくさい」対応を取れるところが、水卜アナの誠実さでもある。彼女を賞賛した視聴者は多く、名前がトレンド入りしたほどだ。変だなと思ったら、たとえ現場で角を立ててもうそは言わない。だからだろうか、彼女は他のおじさん転がし女子アナたちが使う、「ちょっとお!」「やだあ」「ごめんなさあい」という丸っこい言葉を使わない。

 男性MCに突っ込まれたり、女性芸人に意地悪を言われたり、読み間違いをした時に、よく聞く三つの言葉。水卜アナは言い返すことはあっても敬語が多いし、謝罪する時は「すみません」「失礼しました」ときちんと言う。だから一部のMCにとっては、やりにくく「めんどくさい」女子アナかもしれない。もっとふんわりした感じで返してくれたっていいのに、他の女子アナみたいにさ、と。けれども彼女はタレントではなく、アナウンサーという立ち位置をやはりかたくなに守っているように見える。だから特定のMCの色がつかない代わり、同じように矜持を持って仕事をしている芸人たちからの信頼は厚い。有吉弘行さん、オードリー・若林さん、近藤春菜さん。マツコ・デラックスさんをして、「あそこまでガンガン戦いを挑んでくるヤツ、最近いない」と言わしめるほどだ。そう、「転がす」のではなく「戦う」女子アナなのである。

同じく「めんどくさい」中村倫也が昔明かしていた「好みのタイプ」との一致

 ちなみに中村倫也さんは、好みのタイプを「負けず嫌いの女子が好き」「下手くそだな、と思わせる女子にかわいらしさを感じる」と語っていたことがある。水卜アナの「戦う」「めんどくさい」仕事姿にも通じるな、と改めて思ったものだ。

 中村さんも水卜さんと同じく仕事熱心で、こだわりの強い人だといわれている。似たものどうしの二人、でも互いに好感度の高い相手を選んだことで生じるデメリットもわかっているはずだ。仕事で手を抜いたり、相手を裏切るような振る舞いをしたりすれば、一気に世間から嫌われる。そうした一生気が抜けない「めんどくささ」を、この人となら受け入れられると決めた、「めんどくさい」二人。なんて素敵なカップルだろう。どうか二人このまま、どうか「めんどくさい」二人に幸あれ、と思わずにいられない。

冨士海ネコ

デイリー新潮編集部

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